アスペルガー症候群に向いてる仕事 仕事の対処法やサポートをまとめて解説

こんにちは、精神保健福祉士の西村です。
あなたは仕事において、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性にお悩みではないでしょうか。
アスペルガー症候群(現:ASD)の人にあまり向いてないといわれる仕事・業務があることは事実です。ですが、特性を把握することで、向いてる仕事を見つけていくことは、もちろん可能です。
本記事では、「アスペルガー症候群(現:ASD)の人に向いていると考えられる仕事」に加え、「仕事でよくある悩みと対処法3つ」「支援機関・支援制度」などもご紹介いたします。
目次
「アスペルガー症候群(現:ASD)と仕事」の3つの前提

具体的な向いてる仕事やサポート団体などを紹介する前に、「アスペルガー症候群(現:ASD)と仕事」について、大切な3つの前提を紹介します。
前提①医学的には、「アスペルガー症候群」は「ASD」に変更されている
かつて「アスペルガー症候群」という名称が指していた障害は、現在は、精神疾患の診断基準である『DSM-5』において、「ASD(自閉スペクトラム症、自閉スペクトラム障害)」に統合されています。
ですが今でも、「医学的に正式な場面」以外では、アスペルガー症候群という名称が使われることがあります。また、かつてアスペルガー症候群と診断された人が、現在のASDという名称をご存知ないこともあります。
それらを受けて、この記事では、内容的には「現行のASD」のものを紹介しつつ、表記としては「アスペルガー症候群(現:ASD)」といたします。(参考:厚生労働省「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」)
ASDの概要は、後の章で改めて紹介します。
前提②利用できるサポート団体などは、たくさんある
アスペルガー症候群(現:ASD)の人が、仕事や生活の悩みを相談できるサポート団体などは、たくさんあります(後で紹介します)。
アスペルガー症候群(現:ASD)の特性のために、コミュニケーションや相談が苦手な人もいらっしゃるでしょう。ですが、そうしたサポート団体は、アスペルガー症候群(現:ASD)について理解が深いです。
特性を理解された上で相談ができますので、ぜひ、積極的に利用してみてください。そうすることで、仕事(探し)も生活も、より充実していくはずです。
前提③「実際のあなた」に向いてる仕事は、多様に考えられる
記事中でご紹介する「向いてる仕事」は、あくまでも一般論であり、例です。「実際のあなた」の特性や、「実際の職場」の環境などによっては、向いてる仕事は他にもあると考えられます。
この記事の内容は、「アスペルガー症候群(現:ASD)の自分にも向いてる仕事がある」という安心材料にしてください。その上で、「実際のあなたに向いてる仕事は、後述するサポート団体などと話をすることで、具体的に見つかっていくはずです。
アスペルガー症候群(現:ASD)の人に向いてる仕事

この章では、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性を踏まえた上で、向いてると考えられる仕事について、お伝えします。
向いてる仕事①人と接することが少ない
アスペルガー症候群(現:ASD)の特性によって、「他者と頻繁にコミュニケーションを取ることが負担になる」という人がいます。
そういう人は、「人と接する機会が少ない」「機械相手に仕事ができる」といった職業が、選択肢として挙げられるでしょう。
向いてる仕事②興味・関心がある
アスペルガー症候群(現:ASD)の特性について、一般的に言われていることのひとつとして「興味・関心のある分野については、強い集中力を発揮する」というものがあります。
ですので、そういった特性のある人であれば、自分自身の興味・関心のある分野で集中力を活かして働くことが可能です。
向いてる仕事の具体例
①②を受けて、向いていることがある仕事の具体例としては、次のようなものが考えられます。
- 経理事務
- 会計士
- 法務
- 専門事務
- 設備点検
- トラック運転手
- プログラマー
- ソフトウェアなどのテスター
- デバッガー
- ゲームクリエーター
- 校正・校閲
- テクニカルライター(専門的な技術に関する文章を書くライター)
- 研究者
- 数学者
- 設計技術者
- 工学系デザイナー
- CADオペレーター
- フリーランスのデザイナーやライター
- アニメーター
- カメラマン
- 駅員
- 動物の調教師
- その他、ルーティンワーク(定型的な業務)が可能な仕事(ライン作業、軽作業、清掃員など)
アスペルガー症候群(現:ASD)の人の仕事に関する悩みと対処法3選

アスペルガー症候群(現:ASD)の特性がある人は、その特性が原因となって、就活や仕事の悩みを抱えることがあります。ここでは、そういったよくある悩みとその対処法を、例として3つお伝えします。(参考:『発達障害のある子と家族のためのサポートBOOK』)
例に限らず、「自分にはこうした悩みがありがち」ということを理解すると、その対策も考えられるようになります。
そして、「実際のあなた」のお悩みと対処法は、後述するサポート団体を利用することで、より具体的に見つかっていくと思います。
悩み①面接で何をどう話せばいいのかわからない
アスペルガー症候群(現:ASD)の人にとって、就活の際に最初に立ちはだかる壁は、「面接」でしょう。特性ゆえに、「自分をアピールしなければならない面接の場が苦手だ」という人は多くいらっしゃいます。
特に、以下のような悩みがよく聞かれます。
- 自己アピールがうまく考えられない、うまく答えられない
- 質問にどこまで詳しく答えればいいかわからない
- 一方的に話して、相手の心証を悪くする
サポート機関などでの練習を通じて、「自分がどういったことに興味があるか」「自分がそこでどのように働いていきたいか」といったことを上手に伝えられるようにすることで、採用の確率は上がります(就職後の、電話対応やコミュニケーションについても、同じようなことが言えます)。
また、「好印象を持たれるための伝え方」なども一緒に考えることができます。
悩み②こだわりの強さが周りに悪影響を与える
よくある悩みとして「こだわりの強さが周りに悪影響を与える」というものもあります。
具体的には以下のような行動が例として挙げられます。
- 自分独自のこだわりのために、上司や先輩のアドバイスや意見を受け入れるのが難しい
- 「綺麗好き」などのこだわりに時間をかけすぎて、本来の仕事が進まない
- 同じ行動(常同行動)を繰り返して、周りから白い目で見られる
「こだわりの強さ」は、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性の中心的なものとしてあるので、根本的になくすのは難しいと言われています。ですが、少しずつ変えていくことはできます。
例えば、自分のこだわりを認識した上で、次のような対応が考えられるでしょう。
- 仕事の支障にならない部分に関しては、上司や同僚に説明して理解を得る
- 仕事の支障になる部分については、少しずつ違う行動ができるように修正していく
悩み③なぜか上司や同僚を怒らせる
「自分では意識していないのに、なぜか上司や同僚を怒らせる」というのも、アスペルガー症候群(現:ASD)の人からよく聞かれる悩みとして挙げられます。
具体的には、以下のような状況が考えられます。
- 無意識に一方的に話して、相手の機嫌を損ねる
- 相手の表情を読み取ることができず、相手の意図が汲み取れない
- 暗黙の了解やその場のルールを読み取るのが苦手
- 会話の流れがわからず、言葉を文字通りに受け取る
仕事において、こういったコミュニケーションへの苦手さが対人関係に影響してしまうことはしばしばあるでしょう。
仕事の場においては、一例として、次のような決まりや暗黙の了解がたくさんあります。
- 上司の言うことには、基本的には従う
- 人の外見には言及しない
- 「今大丈夫?」と聞かれたら、「今(仕事を振っても)大丈夫?」という意味であることが多い
一般的にアスペルガー症候群(現:ASD)の人は、こうした暗黙の了解やルールを読み取るのが苦手といわれています。そして、具体的な指示であれば理解して動くことができるともいわれます。
あらかじめ上司に次のようなお願いができれば、失敗を減らしたり、失敗したときのリカバーをしやすかったりするでしょう。
「特性のために、『曖昧な表現』だと読み取ることが苦手なので、業務の指示や、間違いをしたときの指摘などは、できるだけ具体的にご説明いただいてもよろしいですか?」
アスペルガー症候群(現:ASD)の人が仕事探しに利用できるサポート7選

アスペルガー症候群(現:ASD)の人に役立つ支援機関・サポート機関を紹介します。無料相談を受け付けているところが多いので、興味のある場所があれば一度相談してみてください。
- 就労移行支援事業所
- 就労継続支援事業所
- ハローワーク
- 転職エージェント(障害のある人に特化したところもある)
- 発達障害者支援センター
- 障害者就業・生活支援センター
- 精神保健福祉センター
それぞれ、アスペルガー症候群(現:ASD)の特性に理解があった上で、サポートを受けることができます(転職エージェントの一部は、発達障害に詳しくないこともあります)。
就労移行支援事業所・就労継続支援事業所は、次項以下で解説します。それ以外の詳細は、下記コラムをご覧ください。
就労移行支援事業所とは?
「就労移行支援事業所」は、アスペルガー症候群(現:ASD)をはじめ、病気や障害がある人に、就労に向けた支援を行っています(私たち、キズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです)。
就労移行支援事業所では、次のような幅広い支援を受けられます(具体的な支援内容は事業所によって異なります)。
- 仕事で活かせる知識・技能の習得
- 仕事や私生活で活かせるメンタル面のサポート
- 「どのような仕事や働き方が向いているのか」のアドバイス
- 転職先候補の業務や雰囲気を体験できる「職場体験実習(インターン)」の紹介
- 履歴書・経歴書・エントリーシートの作成支援
- 面接対策
- 転職後の職場定着支援
利用の可否は、お住まいの自治体が、下記などに基づいて判断します。
- 身体障害、知的障害、精神障害、発達障害、難病などがある
- 18歳以上で満65歳未満である
- 離職中である(例外あり)
※上記を満たすなら、障害者手帳を所持していなくても利用可能です。
就労移行支援事業所の詳細は、下記コラムをご覧ください。
就労継続支援事業所とは?
就労継続支援とは、「一般企業への就職が難しい、病気や障害のある人」に、事務業務や軽作業等の実業務の機会の提供や必要な能力の向上を行う職業訓練サービスです。
就労移行支援との主な違いは以下になります。
- 就労継続支援には、利用期間に定めがない
- 就労継続支援では、工賃(賃金)が発生する
就労継続支援にはA型とB型の二種類がありますが、主な違いは年齢制限と雇用契約の有無になります。
就労継続支援についても、下記コラムにわかりやすくまとめてあります。ご参照ください。
アスペルガー症候群(現:ASD)の人が使える支援制度・サポート制度2選

アスペルガー症候群(現:ASD)の人が利用できる可能性がある支援制度に、次の2つがあります。
- 自立支援医療(精神通院医療)
- 精神保健福祉手帳
詳細は、下記コラムをご覧ください。
「向いてる仕事探し」に直接的には関係しないかもしれませんが、こうした支援を利用できると、仕事探しにも精神的な余裕を持ってのぞめるかもしれません。
※個人の特性によって、必ず利用できるわけではありません。
※他にも支援制度はありますので、(サポート団体を通じて)役所の窓口になどに確認してみましょう。
改めて、アスペルガー症候群(現:ASD)とは?
この章では、アスペルガー症候群(現:ASD)について改めて解説します。既にご存知かもしれませんが、これまでに紹介した内容の理解も深まると思いますので、ご覧ください。(参考:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』、宮尾益知『ASD(アスペルガー症候群)、ADHD、LD 職場の発達障害』、姫野桂『発達障害グレーゾーン』、厚生労働省「ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について」)
①ASDの概要
ASDとは、「自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)」を意味する発達障害の1種です。
ASDには多くの特性がありますが、その中でも下記の2点がよく見られるものとして挙げられます。
- 社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥
- 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式
他に、感覚過敏(光や音や刺激への敏感さが目立つ)、発達性協調運動障害(不器用さが目立つ)などの特性がある人もいます。
なお、「スペクトラム」というのは、特性に様々なグラデーションがある、という意味です。一口に「ASD」と言っても、その特性の現れ方はひとりひとり異なります。
②ASDという名称・分類について
ASDという名称・分類が使用されはじめたのは、2013年に、アメリカ精神医学会が前掲の『DSM-5 精神疾患の分類と診断の手引』を定めてからです。
それよりも昔には、「自閉症」「アスペルガー症候群」「広汎性発達障害」などという名称・分類であり、診断基準も現在とは異なっていました。
かつての分類では、「言語発達に遅れのある場合を自閉症」、「知能が定型の人と同等で言語発達の遅れがないケースをアスペルガー症候群」と区分して判断する傾向がありました。
一方、ASDという分類では、厳密な区分ではなく、「地続きの障害(=スペクトラム)」としてとらえようとしています。
なお、現在も「正式な医学用語」以外の場面(日常会話や法令名など)では、アスペルガー症候群などの旧名称・分類が残っていることもあります。
③ASDによる具体的な困難について
ASDの特性は、具体的には次のような形・傾向で現れることがあります(例であり、「ASDの人には必ずこのような傾向がある」「このような傾向があれば必ずASDである」というものではありません)。
- 人と目線が合いにくい
- 場の状況や上下関係に無頓着である
- 名前を呼ばれても反応しない
- 一方的に言葉をまくしたてる
- 会話による意思疎通がうまくできず、コミュニケーションの齟齬が生じやすい
- 他人の発言をそのまま繰り返す
- 相手の身振りの意味、意見・気持ちなどを察しづらい
- 自分の考えと別の可能性を想定しづらい(相手の立場に立って考えることが苦手)
- 質問の意図や発言の狙いを理解しづらい
- 比喩や冗談を理解しづらい
- 表情から気持ちを察しづらい
- 自分だけのルールにこだわる
- 決まった順序や道順にこだわる
- 予定が急変するとパニックになる(パターン化した行動をする方が落ちついた生活を送ることができる)
④ASDの診断は医師だけが可能
「自分が(ある人が)ASDかどうか」の診断は、医師による問診や心理士が実施する心理検査を中心に行われます。
逆に言うと、医師以外には「ASDかどうか」の診断・判断はできません。
あなたが(ある人が)「発達障害かどうか」をハッキリさせたいのであれば病院を受診してみることをオススメします。
「診断を受けるのが不安」と思う人は、発達障害者のサポートを行う団体(各都道府県にある発達障害者支援センターなど)に「病院に行くべきかどうか」「診断をつけるメリットや注意点は何か」などを相談することができます。
⑤ASDの医学的な診断基準
下記は、2013年にアメリカ精神医学会がまとめた『DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアル』(精神障害の診察基準などを記した書籍)に挙げられているASDの診断基準を抜粋・一部編集したものです。
次のような診断基準に当てはまればASDの可能性があります(あくまで可能性です。「どの程度なら『当てはまる』と言えるか、他の病気や障害の可能性はないかなども含めて、「ある人がASDかどうか」は、医師だけが判断できます)。
- 相互の対人的-情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近づき方や通常の会話のやり取りのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ
- 対人的相互反応で非言語的コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりのわるい言語的、非言語的コミュニケーションから、アイコンタクトと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ
- 人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、さまざまな社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他者と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ
- 情動的または反復的な身体の運動、ものの使用、または会(例:おもちゃを一列に並べたり物を叩いたりするなどの単調な常同行動、反響言語、独特な言い回し)
- 同一性への固執、習慣への頑ななこだわり、または言語的、非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)
- 強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限局したまたは固執した興味)
- 感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音または触感に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)
⑥いわゆる「大人のASD」とは
「大人のASD」という言葉を聞くことがあるかもしれません。「大人のASD」とは、医学的な定義がある言葉ではありません。次のような状態を指す俗語です。
- 学童期には目立った特性や困難が見られなかった、またはその診断等を受けることはなかったものの、成人してから仕事の場などでその特性が顕在化し、ASDの診断を受けることになった例
- 子どもの頃からASDの診断を受けていた人が大人になった状態
1に関連して、発達障害は生まれつきのものであり、「大人になって(大人になるにつれて)発達障害になった」ということではありません。その上で、大人になって受けた検査でASDであることが初めて判明したというケースは少なくないようです。
⑦ASDの「グレーゾーン」とは?
ASDの傾向が確認されるものの、確定診断が下りるほどではないほどの状態・人のことを俗に「(ASDの)グレーゾーン」と言います。
グレーゾーンの場合、確定診断がないことから利用できる公的なサービスが限定されることがあります(例:障害者手帳を取得できないため障害者手帳が必須なサービスを利用できない)。
ただし、グレーゾーンの人でも「発達障害者支援センター」のようなサポート団体への相談は可能です。
確定診断があってもなくても、またASDに関係してもしなくても「発達障害に関する悩み事」は専門的な知識を持つ人たちに相談した人が対策や解決策を見つけやすくなるでしょう。
⑧ASD以外の発達障害
発達障害はその特徴によって、いくつかのグループに分けられています。
ASD以外の主な発達障害には、ADHD(注意欠如・多動性障害)、SLD(限局性学習障害)などがあります。
ASDとADHDの主な違いは、対人関係でのコミュニケーション能力の差にあらわれます。
他人の身振りの意味などを察することや、状況の推測・暗黙の了解を理解しにくいことが多いです。運動が苦手なことも多いです。
ASDの人と比べると、コミュニケーションに大きな齟齬が生じたり、会話のやり取りや身振りの意味の理解に不自由さが生じたりするということは少ないです。
一方で、書類の記入間違いや物忘れといったミスが多いです。
ASD・ADHD・SLDの複数が併存する人もいます。気になる人は、下記の参考記事をご覧ください。
まとめ:支援を活用しつつ、自分に合う仕事に向かいましょう

アスペルガー症候群(現:ASD)の人に「向いていると考えられる仕事」「仕事でよくある悩みとその対処法」「利用できる支援機関や支援制度」などをお伝えしました。
特性についても、仕事についても、あなた一人で悩みを抱える必要はありません。
ぜひ、サポート団体などを積極的に活用しながら、支援者と一緒に「これからのこと」を考えてみてください。そうすることで、あなたにとって、より働きやすい仕事につながることができるはずです。
この記事がお役に立ったなら幸いです。
アスペルガー症候群(現:ASD)の自分に向いてる仕事を知りたいです。
一般論として、次のような仕事が考えられます。会計士,専門事務,トラック運転手,ソフトウェアなどのテスター,ゲームクリエーター,テクニカルライター,数学者,工学系デザイナー,作家・画家・工芸家,アニメーター,駅員。理由とともに、他にも紹介しますので、詳細はこちらをご覧ください。
「アスペルガー症候群(現:ASD)と仕事」のよくある悩みと対策を知りたいです。
例として、次の3つが挙げられます。(1)面接で何をどう話せばいいのかわからない、(2)こだわりの強さが周りに悪影響を与える、(3)なぜか上司や同僚を怒らせる。詳細はこちらをご覧ください。
監修志村哲祥

しむら・あきよし。
医師・医学博士・精神保健指定医・認定産業医。東京医科大学精神医学分野睡眠健康研究ユニットリーダー 兼任准教授、株式会社こどもみらいR&D統括。
臨床医として精神科疾患や睡眠障害の治療を行い、また、多くの企業の産業医を務める。大学では睡眠・精神・公衆衛生の研究を行っており、概日リズムと生産性、生活習慣と睡眠、職域や学校での睡眠指導による生産性の改善等の研究の第一人者。
【著書など(一部)】
『子どもの睡眠ガイドブック(朝倉書店)』『プライマリ・ケア医のための睡眠障害-スクリーニングと治療・連携(南山堂)』
他、学術論文多数
日経新聞の執筆・インタビュー記事一覧
時事メディカルインタビュー「在宅で心身ストレス軽減~働き方を見直す契機に」
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
監修角南百合子
すなみ・ゆりこ。
臨床心理士/公認心理師/株式会社こどもみらい。
執筆西村二架

にしむら・にか。精神保健福祉士。
1992年生まれ。関西学院大学文学部卒業後に京都医健専門学校で学び、2019年に国家資格・精神保健福祉士資格を取得。2018年8月から、キズキ共育塾(不登校・中退・発達障害・社会人などのための個別指導塾)で講師として勤務。現在は主任講師として国語・数学・英語・小論文・面接の学習支援およびメンタル支援を担当。また、うつや発達障害の方々のための就労移行支援事業所キズキビジネスカレッジでも英語などを教える。2023年現在、TOEIC890点を所持。
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→