発達障害の二次障害とは? 抱える悩みや対処法、予防策を解説 | キズキビジネスカレッジ  

発達障害の二次障害とは? 抱える悩みや対処法、予防策を解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田淳平です。

発達障害のある人の中には、「二次障害」に悩む人が少なくありません。

二次障害とは、発達障害に伴って発生する精神障害などの二次的な問題のことです。

例えば、「発達障害の特性によって仕事のミスが頻発し、叱責を受け続けたことでうつ病を発症した」というときの、うつ病が二次障害にあたります。

あなたも、二次障害による苦労や症状に悩んではいないでしょうか?

この記事は、そんなあなたに向けたものです。

この記事では、発達障害の二次障害の種類と症状や発達障害の二次障害のある人が抱える悩み、有効な支援機関・サービス、対処法や予防策を解説します。この記事を読むことで、きっとこれまでよりも生きやすくなるはずです。

あわせて、発達障害のあるお子さんの親御さんに向けた章も設けています。

発達障害の二次障害とは、発達障害に伴う別の病気・状態のこと

発達障害の「二次障害」とは、発達障害に伴う別の病気・状態のこと

発達障害の二次障害とは、発達障害の特性に関連して引き起こされる、「うつ病や不安障害など精神障害」「引きこもり」などの新たな困難のことです。(参考:齊藤万比古『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』、小栗正幸『発達障害児の思春期と二次障害予防のシナリオ』

①発達障害の二次障害の原因は、発達障害の特性に伴うストレスや不適応

発達障害の二次障害の原因は、発達障害の特性に伴うストレスや不適応と考えられています。

発達障害のある人は、「脳の機能の偏り」によって、発達障害のない人と異なる特性を持っています。

特性のために、例えばASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害)のある人は、「コミュニケーションや社会性の面で困りごとを感じやすい」という傾向があります。

周囲から孤立したり、職場でいじめにあったり、過剰に叱責されたりするなど、精神的な圧迫を受けている人もいます。

そうした状況によって、「うつ病」などの二次障害を発症するのです。

②発達障害の二次障害は「病気」とは限らない

発達障害の二次障害は、うつ病などの病気とは限りません。

二次障害とは、あくまでも発達障害に関連して起こる「二次的な問題」の総称です。

病気であってもなくても、大切なのは、二次障害の内実や具体的な疾患を理解して対処することです。

③発達障害があっても、必ず二次障害があるとは限らない

「発達障害があると、必ず二次障害が発生する」とは限りません。

NHKスペシャル取材班による『発達障害を生きる』では、「発達障害を抱えていても、その特性をさほど気にしない環境であれば、そこまで悩まずに済むかもしれない」としています。

つまり、発達障害の特性にあわせて学校や職場の環境を選ぶことで、二次障害が生じるほど深く悩まず生活できる可能性が高まると考えられます。(参考:NHKスペシャル取材班スペシャル取材班『発達障害を生きる』

二次障害を予防するための方法は、こちらの章でご紹介します。

発達障害とは?

この章では、発達障害についてカンタンに解説します。

すでによくご存知の方は、次章まで読み進めても問題ありません。

発達障害とは、「生まれつきの脳機能の発達の偏りによる障害」のことです。そのために、日常生活や社会生活に影響が生じます。発達障害には、主には「ADHD」「ASD」「SLD」の3種類があります。(参考:厚生労働省「発達障害|病名から知る|こころの病気を知る」、尾益知「ASD(アスペルガー症候群)、ADHS、LD 職場の発達障害」、厚生労働省「ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療 | e-ヘルスネット」、NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター「自閉スペクトラム症(ASD)」、厚生労働省「学習障害(限局性学習症) | e-ヘルスネット」、NHK「知ってほしい 発達障害の「グレーゾーン」 | ニュース特集 | NHK富山」

①ADHD(注意欠如・多動性障害)

ADHD

ADHDとは、「注意欠如・多動性障害(Attention-Deficit Hyperactivity Disorder)」を意味する発達障害の一種です。

ADHDの主な特性は、「不注意」と「多動・衝動性」です。

この特性は、人によって、「不注意」が目立つ場合も、「多動性」と「衝動性」が目立つ場合も、両方が目立つ場合もあります。

②ASD(自閉スペクトラム症・自閉症スペクトラム障害)

ASD

ASDとは、「自閉スペクトラム症・自閉症スペクトラム障害(Autism Spectrum Disorder)」を意味する、発達障害の一種です。

ASDには多くの特性がありますが、その中でも下記の2点がよく見られるものとして挙げられます。

  • 社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥
  • 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式

わかりやすく言うと、他人の考えを読み取る・自分の考えを伝えることが苦手だったり、特定のことに強い興味を持ったり、「自分なりのこだわり」に基づく行動が見られたりする、ということです。

③SLD(限局性学習症・限局性学習障害)

LD

SLDとは、「限局性学習症・限局性学習障害(Specific Learning Disorder)」を意味する、発達障害の一種です。

読み書き能力や計算力などに関する発達障害の一種です。

主には、次の3種類に分けられます。

読字障害(ディスレクシア)

目で見た文字や文章を「読む」ことに困難が生じる

書字表出障害(ディスグラフィア)

文字や文章を「書く」ことに困難が生じる

算数障害(ディスカリキュリア)

「計算する」または「推論する」ことに困難が生じる

補足①:発達障害グレーゾーン

発達障害グレーゾーン

「発達障害グレーゾーン」についても紹介します。

発達障害のグレーゾーンとは、「ADHD・ASD・SLDなど発達障害の特性が見られるものの、発達障害の診断基準を満たすほどではない状態」のことです。

特性による困りごとはあるものの、発達障害の確定診断が出ないため、公的なまたは周囲からの理解やサポートを得難い、という状況になることがあります。

ただし、公民を問わず、「確定診断がなくても利用できるサポート団体」はあります。具体的な困難については、そうしたところに相談することで、対応法もわかっていきます。

補足②:発達障害は治る?

現在の医学では、発達障害を根本的に「治す」ことはできません。(参考:社会福祉法人 恩賜財団済生会「大人の発達障害との向き合い方~仕事のお悩み編~」、NHK「発達障害を生き抜くために 診断と治療」

発達障害の特性とは、その人が生まれもった「ものの感じ方・考え方・行動の仕方」と深く結びついていて、それを根本的に変えることはできないからです。

しかし、薬物療法、社会心理的な療法、サポートによって特性を緩和させたり特性との向き合い方を理解していくことで、より生きやすくなっていくことは可能です。

特にADHDの人の特性との向き合い方については、下記のコラムを参考にご覧ください。

薬物療法や生活療法の詳細についてはこちらの章で解説します。

発達障害の二次障害の種類と症状

発達障害の二次障害について、精神科医の齊藤万比古氏は、「『内在化障害』と『外在化障害』に分類して捉えると理解しやすい」としています。(参考:齊藤万比古『発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート』

それぞれ、概要と現れ方の例を紹介します。なお、内在化障害と外在化障害は、単独ではなく複合的に表れる場合も少なくありません。

種類①内在化障害

齊藤氏によると、内在化障害とは、「怒りや葛藤を不安、気分の落ち込み、強迫症状(不潔恐怖や手洗い強迫など)、対人恐怖、ひきこもりなどの情緒的問題に託し、自己の内的苦痛を特徴とする、分離不安障害、社会不安障害、気分障害、強迫性障害などの精神障害」のことです。

「病気ではない二次障害」の例として、「引きこもり」が挙げられています。

分離不安障害とは

家または愛着をもっている人物からの分離に関する、過剰な恐怖または不安を基本的特徴とする病気のこと。(参考『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』

社会不安障害とは

人に注目されることや人前で恥ずかしい思いをすることが怖くなって、人と話すことだけでなく、人が多くいる場所(電車やバス、繁華街など)に、強い苦痛を感じる病気のこと。(参考:厚生労働省「不安障害」

気分障害とは

気分の波が主な症状として表れる病気。うつ状態のみを認める時はうつ病と呼び、うつ状態と躁状態を繰り返す場合には、双極性障害(躁うつ病)と呼ぶ。(参考:厚生労働省「精神障害(精神疾患)の特性(代表例)」

強迫性障害とは

きわめて強い不安感や不快感(強迫観念)をもち、それを打ち消すための行為(強迫行為)を繰り返す病気のこと。例えば、「手が汚れているのではないかと気になって仕方がない」ために「手を一日に何十回・何百回も洗う」、「家の鍵を閉めたか気になって仕方がない」ために「会社に行く途中に何度も自宅に戻って施錠の確認をする」など。(参考:厚生労働省「強迫症/強迫性障害」

種類②外在化障害

齊藤氏によると、外在化障害とは、「内的な怒りや葛藤を極端な犯行、暴力、家出、放浪、反社会的犯罪行為といった行動上の問題に託し、自己以外の対象に向けて表現する、反抗挑戦性障害や行為障害などの精神障害」のことです。

反抗挑戦性障害とは

怒りっぽく/易怒的な気分、口論好き/挑発的な行動、または執念深さなどの様式がしばしば持続することを本質的な特徴とする病気のこと。(参考:『DSM-5 精神疾患の診断・統計マニュアル』

行為障害とは

反抗的で攻撃的な非行行為を繰り返す状態をいいます。この非行行為は年齢相応に必要な社会的規範や規則から著しく逸脱しています。その非行行為を引き起こす原因としては脳の障害、精神的な障害、人格発達のゆがみ、家庭環境や社会的環境の影響などがあります。(参考:厚生労働省こころの耳「行為障害」

ともに、程度の差はあれ、思春期に見られるケースが多いですが、大人になってからも反社会的な傾向が持続する人もいます。

発達障害の二次障害のある人が抱える7つの悩み

発達障害の二次障害のある人には、それぞれに悩みがあります。

ここでは、よく挙げられる7つの悩みを紹介いたしますので、参考にご覧ください。

よくある悩みであるということは、対処法もいろんな人が考えたり試したりしているということです。あなたのお悩みも、(ここにないものでも、)きっと解決方法があります。

(参考:水島広子『正しく知る不安障害~不安を理解し怖れを手放す~』、なかむらクリニック「発達障害って何だろう② -こだわり-」、日本経済新聞「発達障害患者や家族、苦労の連続 医師の理解不足が壁に」、学校保健「いじめ、二次障害の問題|第4回「精神保健・精神疾患を学ぶ」|なぜ、なに、どうして?」、障害者職業総合センター「就業経験のある発達障害者の職業上のストレスに関する研究-職場不適応の発生過程と背景要因の検討-」、星野仁彦「ひきこもりと発達障害」、兵庫県こころのケアセンター「トラウマと発達障害」、厚生労働省「ストレス脆弱性:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

悩み①自分に自信が持てない

1つ目の悩みは、「自分に自信が持てない」です。

発達障害のある人は、幼少期から学校などの集団生活の場で、「定型発達者(発達障害ではない人)が普通にできることが、自分にはできない状況」に直面しやすいと言われています。

例えば、ASDの人であればグループワークや集団行動の際に、周囲と足並みを揃えることができず、ちぐはぐな行動を取って、悪目立ちしてしまうといった事例が見られるでしょう。

そうした挫折体験を繰り返す中で、自信を失う人が多いのです。

また、社会人になってからも、特に発達障害の診断を受けていない人は、「仕事が思うように進まないのは能力不足だから」だと一人合点して、「自分はダメだ」と落ち込みやすいとされています。

発達障害が理由で思った成果が出せず、自信が持てなくなり、抑うつ症状を示す人も少なくないようです。

悩み②ネガティブな考え方になりやすい

2つ目の悩みは、「ネガティブな考え方になりやすい」です。

自信喪失と近いですが、発達障害のある人の中には、新しく物事を始めようとしても、過去の失敗が思い出されて、「どうせまた失敗する」とネガティブに考える人がいます。

中には、人前での発表やプレゼンテーションを過度に恐れるなど、不安障害のような明確な形で二次障害をわずらう人もいます。

こうした二次障害がもとで、ネガティブな思考が癖になり、行き詰まりを感じることが多いようです。

悩み③人と接するのが怖い

3つ目の悩みは、「人と接するのが怖い」です。

前述したように、発達障害は脳の機能の偏りによって生じるものですので、本人がカバーできる範囲が限られている上に、自覚を持ちづらい面があります。

例えば、コミュニケーションをする際、発達障害のない人であれば、立場に応じて敬語を使うなど、言葉遣いを変えるのが一般的です。

しかし、発達障害のある人はそもそも上下関係を理解することが難しく、友達に対するような話し方をしてしまう場合があるのです。

こうしたコミュニケーションの様式の違いや特性が原因となってトラブルが頻発すると、発達障害のある人は「社会不安」「対人不安」という形で、人と接することを恐れるという二次障害を抱えやすくなります。

この「人と接するのが怖い」という悩みは、ADHD(注意欠如・多動性障害)の人よりも、コミュニケーションに困難を覚えるASDの人に多く見られると考えられます。

悩み④こだわりが強いため、周囲とのあつれきが生じる

4つ目の悩みは、「こだわりが強いために、周囲とのあつれきが生じる」です。

こだわりの強さは、発達障害の中でも特にASD(自閉スペクトラム症、自閉症スペクトラム障害)の特性の一つと言われています。

具体例としては、次のようなものがあります。

  • 遊びの中で負けてしまうとひどく怒る
  • 生活習慣が変わるのを嫌う
  • 並べることが好きで上手
  • 融通が利かない
  • 気持ちの切り替えが難しい

こうした「こだわり」の結果、周囲とうまくやっていけず、二次障害に繋がることがあります。

悩み⑤周囲の理解不足や偏見がある

5つ目の悩みは、「周囲の理解不足や偏見がある」です。

日本経済新聞で「発達障害患者や家族、苦労の連続 医師の理解不足が壁に」といった記事もあるほど、発達障害については、医師にさえ理解不足や偏見が見られます。

医師以外の、同僚、家族、友人などについては、なおさらかもしれません。

理解を得られない結果、様々な人たちとの関わりを避け、悩みを深め(悩みを相談できず)、二次障害に繋がることがあるのではないでしょうか。

悩み⑥いじめや差別がある

6つ目の悩みは、「いじめや差別がある」です。

前項とも関連しますが、特性への理解がない場合、周囲からのいじめや差別につながることもあります。

そうした状況では、うつ病などの二次障害に繋がりやすいということは理解しやすいと思います。

悩み⑦ストレスやトラウマがある

7つ目の悩みは、「ストレスやトラウマがある」です。

独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構障害者職業総合センターでは、『就業経験のある発達障害者の職業上のストレスに関する研究-職場不適応の発生過程と背景要因の検討-』という資料の中で、発達障害とストレスの因果関係について以下のように明記しています。

一般のストレスモデルを背景としたメタ分析研究を俯瞰した報告からは、「過剰な“職場からの要求”」、「低い“仕事のコントロール”」、「高い“努力・報酬不均衡”」、「職場のいじめ」ならびに「社会的支援の少なさ」がうつ病発症に寄与する可能性が示唆されていた。

(中略)

発達障害者においては、障害特性がストレス脆弱性を高めていることが多数の調査研究において報告されている。職場における発達障害者のストレスを検討する上では、障害特性(あるいはその人の認知特性)を適切に評価し、把握することが必須である。

(参考:障害者職業総合センター「就業経験のある発達障害者の職業上のストレスに関する研究-職場不適応の発生過程と背景要因の検討-」

※ストレス脆弱性とは、「その人の生まれ持った素質(先天的な要素)と学習・訓練などによる生まれてからの能力やストレスへの対応力(後天的な要素)などに関連してその人が持っている病気のなりやすさ」を意味します。(参考:厚生労働省「ストレス脆弱性:用語解説|こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト」

つまり、発達障害の特性のためにストレスを生じやすく、二次障害などの病気に至りやすいと考えられるということです。

さらに、トラウマも発達障害と深い関わりがあると言われています。

「いつものルーティン・パターン」を好む特性がある場合、学校の教師からの激しい叱責や、職場の同僚からのいじめなど、本人にとって強烈なインパクトになり得る出来事は大きなトラウマとして心に強く残ります。

そうしたトラウマがあることで、「同じようなことが起きるのではないか」と思い、新たな環境(就職・転職・進学など)に行けないことがあるのです。

発達障害の二次障害の治療法3選

二次障害の治療法

二次障害が病気として現れている場合、治療には、精神療法、薬物療法、家族療法などがあります。

ここではそれぞれの治療方法について紹介します。

治療法①精神療法

精神療法とは、臨床心理士などとのカウンセリングを通じて考えを整理したり、思い込みを修正していったりする、精神的なアプローチのことです。

代表的な治療法として、思考の偏りや物事を解釈する際の「認知の歪み」を自覚し、それを修正していく「認知行動療法」などがあります。

複数の精神疾患を併発しているなど、状況によっては薬物療法とあわせて行う場合もあります。

治療法②薬物療法

薬物療法とは、薬の服用によって病気の症状を緩和させる方法のことです。

うつ病や不安障害など二次障害で見られる精神障害は、抗うつ薬や抗不安薬を用いる薬物療法が効果的なことがあります。

二次障害の一つである暴力などの外在化障害に対しても、攻撃性をコントロールするために薬物療法が用いられることがあります。

なお、薬物療法のみで治療を進めるのではなく、認知行動療法や家族療法など、いくつかの治療法を併用するケースも多いようです。

治療法③家族療法

家族療法とは、家族全体を1つの構造として捉え、家族にアプローチすることで問題の緩和を図る心理療法です。

発達障害の二次障害のある人が、家族からの理解や協力を得るために有効と考えられます。

本人をはじめ、家族の悩みや相談を臨床心理士などの専門職が受け、家族ぐるみで適切な対処法を探り、症状(特性)や問題行動の改善を図ります。

補足:病気以外の二次障害について

発達障害の二次障害が病気以外として発生している場合(例:ひきこもり、子どもの場合は不登校など)、医学的な治療の対象とはなりません。

ただ、そうした「病気以外の二次障害」をサポートする団体などもたくさんあります(例:ひきこもりの場合は、ひきこもり地域支援センターなど)。

発達障害そのものについても、また二次障害が病気であってもなくても、お悩みをあなただけで抱え込まず、ぜひ積極的にサポート団体を利用してください。

発達障害の二次障害に悩む人と家族を支える支援機関・サービス4選

発達障害そのものや二次障害に悩むときは、本人とご家族に有効な支援機関やサービスを利用することも検討しましょう。

この章では、発達障害および二次障害に悩む人が利用できる支援団体の例を紹介します。

支援機関①発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害に関する最新かつ信頼できる情報を収集・分析し、本人や家族、全国の発達障害者支援機関および、一般国民に対して広く普及啓発活動を行うことを目的として設立された支援機関です。

発達障害のある人の「こんなとき、どうする?」を中心に、適切な対処法や支援について情報発信しています。

医療機関への受診の必要性や家族側の支援方法など、発達障害にまつわる悩みを相談したい人にはおすすめの機関です。

支援機関②精神保健福祉センター

精神保健福祉センターは、精神保健及び精神障害者の福祉に関する知識の普及、調査研究、相談及び指導を行う施設です。

発達障害についても、二次障害としての病気についても相談できます。

また、近隣の医療機関を紹介してもらうこともできます。

支援機関③障害者地域生活支援センター

障害者地域生活支援センターとは、障害のある人が自立した生活を送れるように、必要な支援を行う施設です。

地域で生活するために必要なサービスの案内や日常のことから仕事のことまで、幅広いことに関する相談、創作活動や生産活動の機会の提供、社会との交流の促進などを行っています。

地域の実情に応じて、市区町村ごとに異なる柔軟な体制で運営されています。

支援機関④障害者就業・生活支援センター(通称:ナカポツ、就ポツ)

障害者就業・生活支援センターは、障害のある人の職業生活における自立を図るために全国に設置されている施設です。「ナカポツ」「就ポツ」などの通称で親しまれています。

雇用、保健、福祉、教育などの関係機関との連携のもと、障害のある人に身近な地域においての就業面および生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進および安定を図ることを目的としています。

就労面だけでなく、金銭管理などの経済面や住居などの生活面のことまで、幅広く相談できます。

就職に関する相談に限らず、「生活習慣を整えるための具体的な助言がほしい」など、日常生活のサポートも受けたい人にオススメです。

補足:発達障害の当事者団体・家族団体

「支援機関」とはやや異なりますが、発達障害の当事者団体・家族団体の活用も有効かもしれません。

当事者団体・家族団体とは、障害や社会問題などなんらかの困難・課題を抱える当事者やその家族自身によって結成される団体のことです。

当事者団体・家族団体の基本的な目的は、同じような困難・課題のある当事者や家族同士の仲間づくりや情報交換・共有、困難・課題の解決・改善にむけた活動などに取り組むことです(方針や具体的な活動内容は団体ごとに異なります)。

そうした団体は、発達障害の特性や二次障害などに有効な支援機関やサービスなどの情報を共有し合える場所になるでしょう。

各団体は、「居住地 発達障害 当事者団体・家族団体」(例:「神奈川 発達障害 当事者団体」)などとインターネットで検索すると見つかります。

発達障害の二次障害への対処法3選

この章では、発達障害の二次障害が病気として現れている人に向けて、対処法を具体的にご紹介します。

前提として大切なのは、できる限り周囲の人や専門家を頼ることです。

人間関係で傷ついた経験から「人と接するのが怖い」という方は、信頼できるご友人、ご家族、該当する専門機関の支援員などに、まずは相談してみてください。

そうした人たちを頼ることで、一人で抱え込むよりも、問題解決がずっとスムーズに進みます。

その上で、以下に紹介する二次障害を治療するためにできることを参考にしてみてください。

対処法①専門医の診察を受ける

対処法①専門医の診察を受ける

最も大切なことは、「専門医の診察を受ける」ことです。

発達障害のある人は、自分でも気づかないうちに、うつ病などの精神障害を患っている場合があります。

抑うつ症状が続いたり、過度の不安で息苦しさを感じたりするなど、わずかでも兆候を感じるようでしたら、まずは病院にかかってみてください。

特に、我慢を積み重ねてきた人の場合は、休職などの具体的な対応策を勧められるかもしれません。

その際は、お勤め先にも必ず相談して、できる限り早く医師の判断に従えるように準備を進めましょう。

また、薬を処方された場合には、自己判断で服用を中断しないことが大切です。

なお、主治医の方針に納得できなかったり、処方された薬で改善されている実感が持てなかったりする場合には、セカンドオピニオンを求めて別の病院にかかるのもひとつの手段です。

元の先生と違う方針を示されるようであれば、あなたが信頼できる方の医師の判断に基づいて、治療に専念しましょう。

ただし一般論として、セカンドオピニオンでも治療の方針があまり変わらないようなら、多少納得できないところがあっても、今の方針に従うことをオススメします。

また、代替医療や民間療法ではなく、「病院」の治療を受けるという点も重要です。

成果がすぐに出ないからといって、専門機関でないところへ治療を求めるのは避けるようにしましょう。

ちなみに、発達障害の二次障害としてよく見られるうつ病と休職の関わりについては、下記コラムにまとめてあります。あわせて読んでみてください。

対処法②焦らずに治療に専念する

二次障害がある方は、「焦らずに治療に専念する」ことを心掛けてください。

生真面目で責任感の強い人ほど、長期の休養を取るときには「早く仕事に戻らないと」と焦りがちです。

しかし、精神疾患を抱えている場合には、焦りが元となって自分を追い詰めることで治療が遅れ、寛解まで時間を要することが多いのです。

特に、休職に入っている方は、調子が安定する前に仕事復帰をすると、すぐに再休職するケースが少なくありません。

「今は治療に専念するべき」と自分に言い聞かせながら、焦らずに二次障害と向き合っていきましょう。

対処法③定期的なカウンセリングを受ける

対処法③定期的なカウンセリングを受ける

3つ目の対処法は、「定期的なカウンセリングを受ける」です。

定期的にカウンセリングを受けて経過観察を行うことで、「問題点」に気づき、無理のない範囲で歪みを修正する一助になります。

すでに二次障害の治療をされている方の中には、医師による診察と薬の処方のみで、臨床心理士などによるカウンセリングを受けていない方もいるでしょう。

そのような方は、専門のカウンセラーによる定期的なカウンセリングを検討してみましょう。

発達障害に悩む人は自分の状態を自覚することが苦手な場合が多いため、ご自身では気付いていなくても、何らかの徴候や認知の歪みが発生しているケースがあります。

ぜひ、カウンセリングを受けてみてください。

カウンセリング先がわからない場合は、かかりつけ医や次項「支援機関」などに相談すると、紹介されることもあります。

発達障害の二次障害への予防策10選

この章では、二次障害の治療を終えられた人向けに、働きながら実践できる予防策を解説いたします。

うつ病などの精神疾患は、寛解したとしても、ストレスを抱え込むと再発する可能性があります。

大切なのは、治ったからと油断せずに、様子を見ながら通院やカウンセリングを継続することです。

特に、薬を服用している場合には、断薬したことをきっかけに症状が再発するケースがあります。

再発を防ぐためにも、医師の判断には必ず従うようにしましょう。

上記の点に留意した上で、これから紹介する予防策を講じるようにしてください。(参考:星野仁彦『発達障害に気づかない大人たち〈職場編〉』、木津谷岳『これからの発達障害者「雇用」』

予防策①小まめに休みを取る

予防策①小まめに休みを取る

1つ目の予防策は、「小まめに休みを取る」です。

二次障害の程度とは別に、発達障害のある人は、比較的ストレスに弱い傾向にあるとされています。

また、ASDやADHDの人の中には、疲労しているにも関わらず、長時間を通して作業に取り組む「過集中」の状態に入ることがあります。

こうした状態の際は、心身の限界を見極められずに、過労で倒れることも珍しくありません。

そのため、仕事の合間にできるだけ「小まめな休憩を取る」ことが大切です。

日頃から定期的に休暇を入れるなど、あまり連勤が続かないように自己管理をすると、無理なく仕事を続けることができるでしょう。

予防策②生活リズムを整える

2つ目の予防策は、「生活リズムを整える」です。

発達障害のある人は、過集中であったり、こだわりのあることに夢中になったりするなど、時間を忘れる人が少なくありません。

結果的に夜更かしにつながりやすく、生活習慣が乱れやすいと言われています。

生活リズムが整わない状態で仕事に取り組むと、睡眠効率が落ちて疲労がたまりやすくなる上に、日中のパフォーマンスも落ちて、心身ともにストレスを抱えやすくなります。

そうなると、精神疾患などの二次障害が再発する可能性も高まります。

できるだけ「生活リズムを整える」ようにしてください。

具体的には、毎日三食きちんと食事を摂り、決まった時間に目を覚まして朝陽を浴びるようにしましょう。

予防策③ストレスへの対処法を身につける

予防策③ストレスへの対処法を身につける

3つ目の予防策は、「ストレスへの対処法を身につける」です。

日頃からストレスを溜め込まないように努めることも重要ですが、それでストレスが全くなくなるわけではありません。

精神衛生を保つためには、ストレスを上手に発散することも大切です。

あなたなりに、リラックスできる方法を探してみてください。

一般的に知られているリラックス法には、以下のようなものがあります。

  • 1分間、目をつむって深呼吸をする
  • 肩を上下させたり回したりする
  • アロマテラピーを用いる
  • 10分程度のストレッチを行う
  • いつもより長くお風呂に浸かる
  • 瞑想やマインドフルネスを実践する

可能であれば、職場でできる簡単なリラックス法と、帰宅してゆっくり時間を取ってできるリラックス法の2種類を習慣とするのがオススメです。

ストレスへの対処法は人によって異なるので、色々な方法を試して自分に合うリラックス方法を見つけ、試してみましょう。

予防策④就労支援を受ける

4つ目の予防策は、「就労支援を受ける」です。

先述した支援機関の他にも、特に就労に力を入れてサポートする機関が多数存在します。

中にはお勤め先とあなたの間に入り、業務内容や仕事量といった労務環境の調整をする機関もあります。

二次障害の予防をしながら働き方も改善したいという人は、ぜひ就労支援機関に相談をしてみてください。

一例をあげると、障害者総合支援法に基づいて福祉サービスを提供している「就労移行支援事業所」では、日常生活のアドバイスから仕事に役立つ専門的なスキルの指導まで、最低0円からサービスを受けられます。

二次障害を治してから転職したい方も、就職先やインターン先の紹介、新しい職場への定着支援まで、総合的なサポートを受けることができます。

なお、就労移行支援を受けるためには「専門医による診断書」が必要です。

就労移行支援のさらなる詳細は、下記コラムをご覧ください。

私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)は、うつ病や発達障害などの人のための就労移行支援事業所です。

  • 病気や障害があっても、KBCでは初任給は38万円も
  • 通常52%の就職率が、KBCでは約83%
  • 通常約1年半かかる就職内定が、KBCでは平均4ヶ月

新宿・横浜・大阪に校舎があり、通える範囲にお住まいであれば、障害者手帳がなくても自治体の審査を経て利用することができます。詳しくは下記のボタンからお気軽にお問い合わせください。

予防策⑤発達障害の特性について理解を深める

5つ目の予防策は、「発達障害の特性について理解を深める」です。

医師から発達障害と診断されると、受け止める気持ちがあっても、特性への悩みや不安からストレスを抱える場合もあるでしょう。

しかし、発達障害があっても、特性との向き合い方を理解することで、悩みや不安を軽減しながら暮らすことができます。あなたをサポートする団体などもたくさんあります。

サポート団体とも話しながら、自分にとって二次障害が生じにくい、ストレスを感じにくい環境とはなにかをイメージしてみましょう。

同居家族がいる場合、環境の改善には家族の協力があるとよいでしょう。

家族に特性や悩みなどを共有できるなら、どのような環境だと過ごしやすいかを全員で考える時間を作りましょう(家族に話すべきかわからない、どう話したらいいのかわからない、というお悩みも、サポート団体に相談可能です)。

予防策⑥家族や友人、職場など周囲の人に理解してもらい、支援を得る

6つ目の予防策は、「家族や友人、職場など周囲の人に理解してもらい、支援を得る」です。

「発達障害があること」は、悪いことでも恥ずかしいことでもありません。

ただ、そうはいっても「自分に障害がある」ということを周囲にカミングアウトできるかどうかは、悩ましいところでしょう。現実問題として、差別や偏見がないわけでもありません。

その上で、カミングアウトできるようであれば、ご家族やご友人、職場の上司などにその旨について相談しましょう。

そうすることで、あなたの特性について理解を得られたり、具体的な支援を得やすくなったりすることがあります(具体例として、次項の合理的配慮があります)。

なお、「カミングアウトするべきか(してもよいか)どうか」については、医師やサポート団体に相談できますので、あなた一人で思い詰めないでください。

予防策⑦就労や就学において、合理的配慮を利用する

7つ目の予防策は、「就労や就学において、合理的配慮を利用する」です。

こちらは、配慮を求める相手に「発達障害があること」を明示する必要があります。

合理的配慮とは、障害のある人の人権が障害のない人と同じように保障されることとあわせて、就労や就業、その他社会生活において平等に参加できるよう、障害の特性・困りごとにあわせて行われる配慮のことです。(参考:文部科学省「資料3:合理的配慮について」 )

配慮の具体例としては、次のようなものが考えられます。

  • 仕事での電話対応が苦手なら、その担当から外してもらい、代わりに別の業務を担当する
  • 騒がしい環境が苦手なら、職場の席を人の出入りが少ない場所にしてもらう
  • コミュニケーションを取るのが苦手なら、人との関わりが少ない業務の担当にしてもらう など

就労や就学において合理的配慮を実現させるためには、本人に関わる人々が一つのチームとなって話し合うことが大切です。

「自分にどのような合理的配慮が必要で、職場や学校にどう伝えればよいか」についても医師やサポート団体に相談できます。積極的に話し合える機会を設けてみてください。

予防策⑧自分に合った環境を選ぶ

予防策⑧自分に合った環境を選ぶ

8つ目の予防策は「自分に合った環境を選ぶ」です。

発達障害のある人は特性について悩んだり不安を抱えたりするケースが多いほか、特性を欠点と捉えて、ストレスを抱え二次障害につながる可能性もあります。

ですが冒頭でも触れたように、『発達障害を生きる』では、「発達障害であっても、特性にあわせた環境や仕事を選ぶことで、深く悩まずに暮らすことができる」としています。

発達障害のある人やそのご家族は、本人の特性に合った環境を選ぶことで、より生きやすくなるということです。

具体例としては以下のようなものがあるので、今後の参考にしてみてください。

具体例
  • 対人関係が苦手だと感じるなら、一人で完結するような仕事を選ぶ
  • 音読を苦手とする特性がある学生なら、オンラインを導入したスクールに変えてみる
  • コミュニケーションを取るのが苦手なら、人との関わりが少ない職種を選ぶ など

また、「発達障害があること」を明かす場合、「障害者枠」という、特性への配慮を得やすい環境で就職することも可能です。

予防策⑨トラウマへの対処法を身につける

9つ目の予防策は、「トラウマへの対処法を身につける」です。

発達障害のある人は、トラウマによって特性が強く表れることがあります。

その結果、「できていたことができなくなる」という二次障害が発生することもあります。

トラウマへの対処法を身につけることで、そうした状況を防ぎやすくなります。

トラウマについて詳しく知りたいときは、専門医を訪ねてみるのもオススメです。

予防策⑩気軽に相談できる人(場所)を日頃から確保しておく

最後の予防策は、「気軽に相談できる人(場所)を日頃から確保しておく」です。

繰り返す通り、発達障害のある人がその特性に悩みや不安を抱えるケースは多くあり、そこからくるストレスが発達障害の二次障害につながる可能性もあります。

そんなとき、気軽に相談できる人や場所があれば、多少はその困難や課題の解消につながるでしょう。

ここでも紹介しましたが、発達障害の当事者団体・家族団体なども有効な場所かもしれません。

いずれにせよ、家族や友人、同僚などの中に、気軽に相談できる人を日頃から確保しておくといいでしょう。

発達障害のあるお子さんの親御さんへ

この章は、特に「発達障害のお子さんがいる親御さん」に向けた内容です。

お子さんのことを親御さんだけ(ご家庭だけ)で抱え込まずに、発達障害や二次障害のサポート団体に相談してみてください。そうすることで、お子さんも親御さんも、きっと生きやすくなります。(参考:松井藍子、大河内彩子、田髙悦子、有本梓、白谷佳恵「発達障害児をもつ親の会に属する母親が子育てにおける前向きな感情を獲得する過程」、キズキ家学「発達障害の子どもの友達作りのために、親ができる11の方法」、shizu『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』

経験者の経験や知識がヒントになる

親御さんは、発達障害のあるお子さんと普段どのように向き合えば良いのか悩むことも多いでしょう。

そのようなときは、発達障害のある子どもを育てた経験者の経験や知識をヒントにするのがオススメです。

例えば、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』の著者であるshizuさんは、自閉症と診断された息子さんを応用行動分析(ABA)と呼ばれる療育法を用いて“褒めて伸ばす育て方”を実践しています。

初めからうまくいった訳ではなく、毎日試行錯誤の繰り返しだったことなど、さまざまな苦労がうかがえます。発達障害の特性について理解を深めたら、次はどのような環境・対策を取り入れ、子どもの生活を支えられるかを本などを参考にしながら考えてみましょう。

子どもの発達障害の相談先

日本には発達障害者支援センターや児童相談所など、発達障害・二次障害について相談できる支援機関やサービスがあります。

相談できる場所を積極的に利用し、発達障害への理解を深めながら、お子さんの暮らしやすい環境を模索していきましょう。

発達障害の子どもに関する相談先の例
  • 発達障害の専門家がいる医療機関(小児神経科、児童精神科、発達外来など。近くにない場合や、精神科に抵抗がある場合には、かかりつけの小児科医に相談しましょう)
  • 学校のスクールカウンセラー
  • 発達障害者支援センター
  • 保健センター
  • 子育て支援センター
  • 児童相談センター
  • 発達障害の「親の会」(親の会は全国にあります)
  • 発達障害のサポートを行う塾・家庭教師・フリースクールなど(私たちキズキでも、無料相談を行っています)

補足①:児童相談所

児童相談所は、育児や成長過程に悩む親子のために児童福祉法に基づいて設置された相談機関です。

原則18歳未満の子どもに関する相談や通告であれば、本人や家族、学校の先生や地域住民など、どんな立場からでも相談できます。

主な相談内容には、養護相談や保険相談のほか、言語発達障害等さまざまな障害について相談できる障害相談もあります。

また、育成相談もあるので、子どもの発達障害や二次障害に対して親としてどのように接するべきかについても相談可能です。

補足②:子育て支援センター

子育て支援センターは、18歳未満の子どもとその家族を対象に、発達について気になることや、心配事などを電話や来所で相談できる支援機関です。

子どもの成長には個人差があり、発達障害や二次障害について気付きにくいことも少なくありません。

育児における不安や悩みがある人にとっては、気軽に相談しやすい機関と言えるでしょう。

まとめ:発達障害の二次障害に悩む人は専門家に相談してみましょう

まとめ:発達障害の二次障害に悩む人は専門家に相談してみましょう

発達障害の二次障害の概要から、対処法、予防策までを網羅的に解説しました。あなたに役立ちそうな情報はあったでしょうか?

発達障害による二次障害がある方は、まずは焦らずに、二次障害を治すことに専念しましょう。

その際には、専門医やカウンセラー、信頼できる友人やご家族、支援員などの協力を仰ぐことが大切です。

一人で抱え込まずに、周りの人と協力しながら、二次障害を緩和していってください。

このコラムが、発達障害の二次障害に悩む人の助けになったなら幸いです。

よくある質問(1)

発達障害の二次障害への対処法はありますか?

一般論として、次の4点が挙げられます。「専門医の診察を受ける」「焦らずに治療に専念する」「定期的なカウンセリングを受ける」「専門の支援機関を利用する」。詳細はこちらをご覧ください。

よくある質問(2)

発達障害の二次障害を予防する方法はありますか?

一般論として、次の4点が考えられます。「小まめに休みを取る」「生活リズムを整える」「ストレスへの対処法を身につける」「就労支援を受ける」。詳細はこちらをご覧ください。

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

Amazon
翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

執筆寺田淳平

てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

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