うつ病を改善するコツ10選|支援機関と再発防止策5点も紹介

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田淳平です。
あなたは、うつ病の改善策がわからずに、下記のようなお悩みをお持ちではありませんか?
- どのような支援機関を頼ればよいのかわからない
- 改善してもいつか再発するのではないか
- 働きながらでも改善させることはできるのか
同じようにお悩みの方は、大勢いらっしゃいます。
そこでこの記事では、キズキビジネスカレッジ(KBC)の知見や各種書籍などを参考に、うつ病を改善させるコツを徹底解説します。(参考:佐藤隆『職場のメンタルヘルス実践ガイド』、川上憲人『基礎からはじめる職場のメンタルヘルス』)
うつ病の方の助けになる支援機関や、改善後の再発防止策なども紹介しますので、お困りの方は、ぜひ一度、読んでみてください。
【本文に入る前に…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?
「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。
を利用した方は…
- 初任給
- うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
- 就職までの期間
- 通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
- 就職率
- 通常52%のところ、
KBCでは82%
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
執筆寺田淳平
てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→
目次
働きながらうつ病を改善することはできる

あなたがお仕事をお持ちの場合には、「働きながらうつ病を改善させることはできるのか」という疑問を持つ機会も多いと思います。
結論から申し上げますと、就労しながらうつ病を改善させることは充分可能です(この場合の「就労しながら」には、適宜の休職・異動・転職なども含みます)。
ただし、前提として、「焦らない」「働きながら治すことにこだわりすぎない」ことが大切です。
なぜなら、改善を急ぐことがストレスにつながったり、「休むわけにはいかない」という責任感がプレッシャーになったりすることで、症状を悪化させる可能性もあるからです。
そのため、働きながらうつ病を改善させたい方は、きちんと病院に通って、医師の判断を仰ぎながら「病気とつき合っていく」ようにしましょう。
また、倦怠感や身体の重さが続くなど、心身が休養を求めているときには、無理をせずに休養を取ることも必要でしょう。
働きながらうつ病を改善するためには、医師の判断を仰ぎつつ、「焦らずに徐々に改善していく」ということが、大切です。
うつ病を改善させるコツ10選
ここからは具体的に、うつ病を改善させるコツを紹介していきます。
大切なのは、「うつ病の悩みを一人で抱え込まないこと」です。
医師やカウンセラーはもとより、ご家族・同僚・友人など、あなたがうつ病についての相談をできる相手はたくさんいます。
また、後でご紹介するような支援機関もあります。
人に話すことでストレスが軽減される面もありますので、できるだけ周囲の人を頼るようにしてください。
コツ①通院と服薬を欠かさない

うつ病を改善させる前提として、「通院と服薬を欠かさない」が挙げられます。
どんなに仕事が忙しいときでも、通院はきちんと続けましょう。
通院を怠ることで、あなたの心身のリズムが崩れる可能性があります。
また、治療法によっては服薬もすることとなります。
その場合、自分では「症状が改善してきた」と思っていても、医師に相談せずに自分の判断で断薬(=薬を飲まないこと)は絶対にしないようにしてください。
服薬によって心身の健康が維持されている場合、薬を抜いたことで、症状がぶり返す可能性もあるからです。
「処方された薬を服用することに抵抗がある」「医師の診断にどうしても納得できない」という場合は、「自分で断薬する」のではなく、セカンドオピニオンを求めて別の病院を受診してみましょう。
ただし、一般論として、セカンドオピニオンでも治療の方針があまり変わらないようなら、多少納得できない面があったとしても、元の方針に従うことをオススメします。
そして、代替医療や民間療法ではなく、「病院」の治療を受けるという点も重要です。
コツ②定期的なカウンセリングを受ける
2つ目のコツは、「定期的なカウンセリングを受ける」です。
医師による治療に加えて、臨床心理士などによる定期的なカウンセリングも、うつの改善には効果的です。
カウンセリングでは、健康面の悩みだけでなく、仕事に関する悩みについても具体的に相談でき、またアドバイスを得られます。
「具体的な相談」に限らず、話をするうちに、自分でも気づかなかった「考え方の癖」を自覚することで症状が改善されたり、業務改善のヒントが見つかったりするなど、様々なメリットが期待できます。
カウンセラーの側でも、経過観察を続けることであなたの調子の波や傾向を指摘しやすくなりますので、うつ病にお悩みの方は、ぜひ定期的なカウンセリングを受けてみてください。
コツ③専門の支援機関を頼る

3つ目のコツは、「専門の支援機関を頼る」です。
うつ病の診断をお持ちの方へ支援を行う機関は、公・民を問わずたくさんあります。
後述する就労移行支援事業所などのように、うつ病の症状改善に向けたサポートに加えて、仕事に役立つ自己管理術や専門的なスキルの講習など、多様な支援を行っている機関もあります(次章でご紹介します)。
支援内容にもよりますが、無料でサービスを受けられるところも多いので、支援機関への相談を検討してみてください。
コツ④生活習慣を整える
4点目は「生活習慣を整える」です。
就寝と起床の時間は、なるべく一定にするようにしましょう。
睡眠リズムの乱れは、生活習慣の乱れに直結するだけでなく、日中のパフォーマンスやストレスにも影響を及ぼします。
また、特に薬物療法を受けている方は、アルコールやカフェインの摂取に注意してください。
これらの嗜好品は、治療の妨げになるだけでなく、頭痛・不安の原因になると言われています。
アルコールやカフェインは、一時的なストレス解消になったとしても、依存性がありますので、摂取しないことをオススメします。
コツ⑤適度な運動を取り入れる

5点目は「適度な運動を取り入れる」です。
うつ病を改善するには日常的なストレス発散が大切ですが、その方法として「適度な運動」は効果的です。
適度な運動の例としては、以下が挙げられます。
- 毎日20分程度の散歩
- 簡単な屈伸運動やストレッチをする
- 週2~3日程度30分のジョギング
ただし、無理をして継続すると、それがストレスにつながる場合があります。
うつ病を改善させるためには、あくまでも「疲れすぎない程度の運動」という点を心に留めておいてください。
コツ⑥食生活を改善する
6点目は「食生活を改善する」です。
国立精神・神経医療研究センター神経研究所の部長を務めている功刀浩先生によると、うつ病の治療においては「食生活などの生活指導」も重要です。(参考:朝日新聞「生活習慣と関係が深いうつ病、予防につながる栄養素は……」)
食べすぎによる肥満、ダイエットによる栄養不足など、食生活の乱れがうつ病の発症に関わっているというのです。
反対に、野菜、果物、大豆製品、きのこ類、緑茶など、ビタミンやミネラルを多く摂取する「バランスのとれた食事」を取ることがうつ病の改善に役立つと考えられます。
医師などとも相談しつつ、食生活という観点からも、あなたの病状を改善できないか考えてみてください。
コツ⑦家族や職場の理解を得る

うつ病について「家族や職場の理解を得る」というのもコツのひとつです。
身体が重くて家事ができないときなど、家族の助けが必要になる場面は少なくありません。
症状などをよく話し合うことで、うつ病について家族の理解を得ることが大切です。
また、お勤め先の方々にも、可能な範囲で情報を共有しておくことをオススメします。
うつ病の症状によって、仕事中に体調が悪化したり、通勤時に気分を悪くしたりすることはよくある話です。
前もって職場の同僚に「自分のこと」を伝えていれば、仕事の穴をカバーしてもらえたり、シフトに融通を利かせてもらえたりと、サポートを得やすくなるはずです。
また、職場側としても、理由を明かされずに欠勤されるより、理由がわかっていた方が安心できるという面もあります。
できる範囲で構いませんので、家族や同僚の理解を得るために、病状を話してみてください。
コツ⑧通勤経路を見直す
8つ目のコツは「通勤経路を見直す」です。
「毎朝満員電車に揺られながら、一時間以上かけて通勤する」というような経路は、珍しいことではありません。
そうした長時間の通勤がストレスになって、症状改善の妨げになっている可能性もあります。
「満員電車」以外にも、電車を降りてから歩く環境、渋滞に巻き込まれるバスや自家用車なども同様です。
そんなときは、「別の通勤手段がないか」を探してみてください。
それが難しいようであれば、上司に相談して異動のタイミングで勤務地を変えてもらうか、職場から近いところに引っ越すかなども検討してみましょう。
このように、うつ病を改善したい方は通勤経路を改善してみてください。
コツ⑨産業医面談を受ける

職場の規模によりますが、9つ目のコツは、「産業医面談を受ける」です。
産業医とは、労働者の健康管理について助言や指導を行う医師のことです。
労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の労働者が在籍する事業所に1人以上、3,000人超の事業所では2人以上の産業医が配置されています。
上記の条件を満たしていれば、あなたの職場にも産業医がいるはずですので、一度確認してみてください。
「面談の結果が人事査定に影響するのではないか」と心配されるかもしれませんが、産業医は中立的な立場から診断を行いますので、ご安心ください。
産業医が職場の上司から説明を求められたとしても、個人情報保護の観点から、共有してよいかを原則ご本人に確認することになります。
料金なども発生しませんし、場合によっては上司も同席の上で業務に関する具体的な相談をすることも可能ですので、利用してみることをオススメします。(参考:厚生労働省※PDF「産業医について」)
コツ⑩配置転換・休職・転職も視野に入れる
最後のコツは、「配置転換・休職・転職も視野に入れる」です。
うつ病について様々な治療を試みているのに、症状がなかなか改善されず、困っている方もいるかと思います。
このような場合、仕事への不適応や、担当業務とのミスマッチによるストレスが、うつ病の改善を妨げていることが考えられます。
実際に、配置転換や転職などで、うつ病が改善されたという人も少なくありません。
就労中の方は、配置転換・休職・転職についても検討してみてください。
ただしもちろん、あなただけで「仕事内容や職場環境が原因だ」と判断するのはやめた方がよいでしょう。
医師や、次章でご紹介するような支援機関によく相談することが大切です。
また、休職に関しては、お勤め先によって、休職中の「給与支給の有無」や「適用期間」など、条件が異なりますので、その点をきちんと精査してから決断するようにしましょう。
症状の改善を望むのであれば、現在の職場にこだわりすぎずに、休職したり、思い切って転職したりすることも考えてみてください。
うつ病の改善に役立つ支援機関4選
この章では、うつ病の改善に役立つ支援機関のうち、「基本的には無料で相談を受け付けている、公的機関や公的な認可に基づく機関」をご紹介します。
どの支援機関に相談するか迷うという方は、お住まいの自治体の障害福祉課が基本的な窓口になりますので、そちらに問い合わせてみてください。
また、支援機関の中には、「直接的なうつ病の改善の支援」以外に、復職支援や職業訓練を実施しているところもあります。
そうした支援を受けたい場合には、医師とも相談しながら、ご自身の体調を考えて無理なく進めていくことが大切です。
なお、ご紹介する以外にも支援機関は多数ありますので、気になる方はぜひ調べてみてください(例として、うつ病の当事者同士が支え合うピアサポート団体や、外出の支援を行う団体などがあります)。
支援機関①就労移行支援事業所

就労移行支援事業所では、病気や障害をお持ちの方向けに、就職や転職などについてのサポートを受けることができます。(参考:厚生労働省※PDF「就労移行支援事業」)
運営は、公的な認可を受けた様々な団体が行っています(私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)もその一つです)。
現在の仕事を辞めて新しい仕事に就くことを検討している方には、特にオススメです。
就労移行支援を利用できるのは、以下の条件を満たす方です。
- 原則18歳から65歳未満であること
- 一般企業への就職または仕事での独立を希望していること
- 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害や難病を抱えていること
障害者手帳は必須ではなく、うつ病の方でも、専門医による診断書があれば支援を受けることができます。
具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、向いている職業・職場探し、就職のためのスキル講習、エントリーシートの書き方、面接対策、メンタル面の相談、生活習慣の改善といった、幅広いサポートを行っています。
就労移行支援事業所の詳細は、コラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」をご覧ください。
いくつか探してみて、支援内容にご興味がある事業所があれば、問い合わせてみましょう。
支援機関②精神保健福祉センター
精神保健福祉センターとは、うつ病を含む精神障害をお持ちの方のサポートを目的に、精神保健福祉法によって各都道府県に設置された支援機関です。(参考:東京都福祉保健局「精神保健福祉センターとは」
心の問題や病気で困っているご本人だけでなく、ご家族や関係者の方からも、精神衛生に関する相談を行うことが可能です。
他の支援機関と比較したときに、精神疾患に特化した支援を行う点が特徴と言えるでしょう。
匿名でも相談を受け付けています。
気になる場合は、お住まいの都道府県のセンターに問い合わせてみてください(全国の一覧はこちらです)。
支援機関③地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、うつ病に限らず、障害を抱える一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、復職支援、職業訓練などの専門的な職業リハビリテーションサービスを受けることができます。(参考:独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構「地域障害者職業センター」)
症状の改善そのものよりも、「復職後の就労状況の改善」を望む方に、特にオススメです。
運営は、「独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構」が行っており、全国47都道府県に設置されています(全国の一覧はこちらです)。
また、当事者だけでなく、事業主に対しても雇用管理に関する相談・援助を実施しています。
支援機関④障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターでは、就業及びそれに伴う日常生活上の支援が必要な障害のある方が、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などのサービスを受けることができます。(参考:厚生労働省「障害者就業・生活支援センター」)
仕事に限らず、生活面での支援も受けたいという方にオススメです。
厚生労働省の資料によると、2019年5月時点で334センターが設置されており、当事者の身近な地域において、就業面と生活面を一体に捉えた相談と支援を行っています。
障害者就業・生活支援センターの特徴は、就労だけでなく、金銭管理などの経済面や住居のことまで、多岐にわたって相談できる点にあります。
興味のある方は、お近くの事業所にご相談ください(全国の一覧はこちらです)。
うつ病改善後の再発防止策5点
最後に、現時点で「うつ病が改善した」という人に向けて、再発防止策を紹介します。
前提として大切なのは、医師の指示があるまでは、きちんと通院・服薬を続けることです。
あなたが大丈夫だと判断しても、専門家の目から見れば、まだ治療や服薬が必要という場合があります。
自己判断で通院をやめたり、断薬したりすることは絶対に避けてください。
①余裕を持って行動する

1つ目は「余裕を持って行動する」です。
例えば、通勤途中で気分が悪くなったときに、途中で休憩しても始業時間に間に合うように、日頃から家を出る時間を早くしたり、満員電車を避けたりするなど、心身への負担を極力減らすことを念頭において行動することが大切です。
時間や気持ちに余裕を持って行動すれば、不測の事態が起こったときにも、焦ってストレスを感じることが減ります。
日頃から「余裕を持って行動できる」よう、普段のスケジュールを見直してみてください。
②計画的に休みを取る
2つ目は「計画的に休みを取る」です。
ある日に突然疲れが出たり、疲れを自覚したりすると、その当日に休暇申請をすることになるでしょう。
そんな日に重要な会議や商談などが入っていると、「当日にキャンセルしてしまった」「リスケジュールできるだろうか」「また同じようなことがあるのでは」などといった精神的な負担や後ろめたさにつながり、さらに調子を崩すきっかけにもなります。
前もって休暇を設定しておけば、仕事のスケジュールも設定しやすいため、精神的な負担や後ろめたさによる「つらさ」も軽減しやすくできるでしょう。
オススメの方法は、「その月に休む日」を月初に決めて、休暇申請をしておくことです(お勤め先のルールによっては、シフト申請日や締め日などに申請しましょう)。
ぜひ、「前もって計画的に休みを取る」という姿勢を持つようにしてください。
③相談相手を持つ

3点目は「相談相手を持つ」です。
前述のとおり、うつ病の方は相談相手を持つことで、気持ちが楽になったり、サポートを受けられたりと、様々なメリットが期待できます。
支援機関を頼れば、より有益なアドバイスを得られるでしょう。
今すでに相談相手がいる人も、その数をできるだけ増やすことで、いっそう精神的な安定を期待できます。
一人で抱え込まずに、できるだけ相談相手を作ることを心掛けてください。
なお、就労中の方で、同僚にうつ病を打ち明けるのは抵抗があるという場合は、まずは上司だけに相談することをオススメします。
④(残業など)無理はしない
4つ目は「(残業など)無理はしない」です。
一定以上の調子を保つためには、たとえ気分が乗っていたとしても、無理はしないことが大切です。
うつ病の場合、症状が改善したとしても、調子のムラは残っているケースがあります。
「具合がよいから」と思うと、「もっと予定を詰めよう」「今日はもっと残業しよう」などという行動をしがちです。
しかし、あなたに自覚はなくても、それが実は「無理」なスケジュールだったなら、週の後半に体調を崩したり、休日に休んでも疲労が抜けなかったりと、どこかにひずみが生じることがあるのです。
前述のとおり、普段から無理をせず、余裕を持っておくことが大切です。
⑤時短制度を利用する

最後は「時短制度を利用する」です。
うつ病が改善したとしても、就労中の場合は、「朝はつらいけど午後からなら出勤できる」「調子次第で勤務時間に融通を利かせたい」と感じることが度々あると思います。
その場合、時短制度を活用すれば、ある程度、負担を軽減することができます。
お勤め先の人事部門に、時短制度の有無、あなたの適用可否、申請方法などを尋ねてみましょう。
大きく調子を崩す前に、勤務時間を調整することが、うつ病の再発防止のコツです。
うつ病の概要・症状・治療法など
ここまでは、うつ病を改善するコツについて解説してきました。
この章では、うつ病の概要・症状・治療法などをご紹介します。
①うつ病の概要

うつ病とは、気分の落ち込み、憂うつ感、意欲の低下などが一定期間、持続する精神障害の一種です。
うつ病は、環境や仕事のストレスがきっかけになる場合もありますが、明確な原因が見当たらないまま発症するケースも多いため、原因による分類・定義は難しいと考えられています。
女性、若年者に患者が多いと言われていますが、日本では中高年にも多く見られます。
厚生労働省が実施している患者調査によると、うつ病を含む気分障害の日本での患者数は2002年には71.1万人、2005年には92.4万人、2008年には104.1万人と、著しく増加しています。
また、ICD-10(世界保健機関の分類)の診断によるうつ病の12か月有病率は2.2%、生涯有病率は7.5%であり、過去12か月間にうつ病を経験した人は約50人に1人、生涯にうつ病を経験した人は約15人に1人と、決して珍しい病気ではないのです。
多くの患者がいるということは、それだけ多くの「改善法」も考えられている、ということです。(参考:厚生労働省「うつ病|疾患の詳細(リンク失効)」「うつ病を知る」)
②うつ病の症状
うつ病の症状は、精神症状と身体症状に大きく分けられます。
それぞれのよくある症状は、以下のとおりです。
- 憂うつ感が続く
- 気分が重い
- 不安である
- 集中できない
- 興味が湧かない
- 罪悪感がある
- 食欲がない
- 身体がだるい
- 疲れやすい
- 動悸がする
- 頭痛、肩こり
- 胃の不快感
ただし上記の症状は、うつ病でない人でも、ショックな出来事が起こった際などに一時的に生じうるものです。
また、特定の身体疾患が原因で、症状が見られるというケースも考えられます。
「うつ病かどうか」は症状の程度や持続期間など、様々な基準にもとづいて診断されます。
上記のような症状があるからといって「自分はうつ病に違いない」と決めつけず、必ず専門医を受診するようにしましょう。
③うつ病の治療法・改善法

うつ病の治療法は、薬物療法と精神療法に大きく分けられます。
薬物療法とは、その名のとおり、症状改善のための「抗うつ薬」を服用する療法です。
精神療法では、医師やカウンセラーと対話しながら、自身の考え方の癖などを修正していく「認知行動療法」などがメインとなります。
薬物療法と精神療法の比率は、症状の程度や改善状況によって変わります。
気分が高揚する「躁うつ症状」を伴う場合には、うつ病ではなく「双極性障害」の可能性があるため、躁とうつの波を小さくする「気分安定薬」を使用することもあります。
また、身体疾患やその治療薬がうつ病を誘発しているケースでは、治療(薬)の中止や変更を提案される場合もあります。
まとめ〜うつ病は改善できます〜

うつ病を改善させるコツから、頼れる支援機関、再発防止策までを紹介してきました。
あなたの生活や仕事に取り入れられそうな情報があったなら幸いです。
繰り返しにはなりますが、何よりも大切なのは、うつ病の悩みを一人で抱え込まないことです。
医師や身近な人の他にも、無料で相談できる支援機関などがたくさんあります。
いろんな人たちを頼りながら、ご紹介してきたコツを身につけていくことで、うつ病の症状を改善していくことができます。
ぜひ、周囲の協力を仰ぎながら、うつ病の改善に取り組んでみてください。
【最後に改めて…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?
「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。
を利用した方は…
- 初任給
- うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
- 就職までの期間
- 通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
- 就職率
- 通常52%のところ、
KBCでは82%