発達障害の「疲れやすい」その5つの原因と今すぐ使える対策法! | キズキビジネスカレッジ  

発達障害の「疲れやすい」その5つの原因と今すぐ使える対策法!

発達障害のあるあなたは、日々「疲れやすい」と感じていませんか?

「疲れやすいのは、発達障害に由来します。」

こんなことを言うと、驚くかもしれません。

しかし、音に過敏である、集中しすぎるなどの発達障害の特性から、疲れやすいことに困る当事者は多いと言われています。

そこで今回は、発達障害と「疲れやすい」の関係・原因をまとめるとともに、解決法・対策法について、当事者へのインタビューも行いました。

この記事が、発達障害による「疲れやすい」に悩むあなたの一助となれば幸いです。

【本文に入る前に…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?

「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)を利用した方は…

初任給
うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
就職までの期間
通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
就職率
通常52%のところ、
KBCでは82%

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

発達障害者が疲れやすい5つの原因

この章では、「発達障害のある人がなぜ疲れやすいのか」を説明したいと思います。

原因①周囲に適応しようと無理をしている

原因①周囲に適応しようと無理をしている

発達障害のある人は、周りの人や環境に適応しようとする中で神経をすり減らすことで疲れやすいことが多いです。

例えば、ASDの場合は、空気が読めないという特性があるために、周囲の人の雰囲気や感じていることを把握するために、頭をフル回転して周りの状況を分析するケースが挙げられます。

このように、発達障害ではない多くの人が無意識にしていることでも、発達障害のある人にとっては心身に過度の負荷をかけていることがあるのです。

原因②睡眠をうまく取れない

原因②睡眠をうまく取れない

発達障害のある人は、二次的な問題として、睡眠障害を抱えて疲れやすいことが多いです。

具体的には、エアコンの音が気になって寝つけなかったり、逆に日中の仕事で疲れ果てて夜に寝すぎてしまったりで、日常生活に支障をきたしてしまう場合がある、ということです。

睡眠不足や過眠は、疲れにつながります。

特にADHDの人は、子どもの場合25%〜50%が睡眠に問題を抱えていると言われています。

原因③感覚が敏感である

原因③感覚が敏感である

発達障害のある人は、一般的には不快に感じないレベルの音、光、匂いや肌触りなどの刺激に対してとても敏感で、疲れやすいことがあります。

例えば職場のエアコンの音が気になって仕事に集中できない、首周りに触れる服(タートルネックなど)を着ると違和感で吐き気がするなどがあります。

原因④身体を上手に動かせない

原因④身体を上手に動かせない

発達障害のある人は、極端に不器用だったり、力の入れ具合を調節することが苦手だったりするために、身体を効率よく動かすことができないことで疲れやすいことがあります。

「電車でつり革を持って立つ」「靴ひもを結ぶ」といった日々行われる動きを上手にできず、普通に生活しているだけでも疲れる人が多く見られます。

原因⑤集中しすぎる

原因⑤集中しすぎる

発達障害者は、注意がそれやすい一方で、自分の興味がある事に対しては過度に集中することで疲れやすいことがあります。。

過集中には、締め切り間近の書類仕事を短時間で終わらせたり、学校の試験中に問題へ没頭することで高得点をあげたりといったメリットも見られます。

ですが、過集中は、多くの場合で心身に大きな負担をかけることになります。

発達障害当事者が実際に行う、「疲れやすい」への5つの対策法

実際に発達障害当事者から、上記の「疲れやすい」に関する対策法をインタビューしました。

どれも実際に効果があった方法ですので、あなたもぜひ試してみてください。

対策①周囲への適応を気にせず、社会常識にとらわれないようにする

対策①周囲への適応を気にせず、社会常識にとらわれないようにする

周囲に適応しようと無理をして疲れやすい人は、社会常識にとらわれない考え方を身につけるとよいでしょう。

「常識」に無理に合わせないことで、疲れが発生しなくなります。

具体例
  • 「人と交流すべきだ」「友達は多い方がよい」のような社交に関する社会常識に流されずに、1人で行動する時間を増やしました。
    そのおかげで、周りの人に合わせるために無理をすることが減り、人間関係のストレスも和らぎました。(H.Kさん)

対策②睡眠のためのリラックス法を行う

対策②睡眠のためのリラックス法を行う

睡眠をうまく取れなくて疲れやすいなら、寝る前にリラックスする方法を試してみるとよいでしょう。

良質な睡眠を取ることができれば、疲れは発生しません。

具体例
  • 入浴時に冷水シャワーと温水シャワーを交互に目へ当てる、「アイシング」と呼ばれるリラックス法を実践しています。
    これによって、PC作業で緊張した目の筋肉をゆるめることができています。
    目は脳とつながっているため、目の筋肉がゆるむと脳の興奮もおだやかになり、スムーズに入眠しやすくなります。(Hさん)

対策③敏感な感覚を緩和するため、器具を使ったり服装を工夫したりする

対策③敏感な感覚を緩和するため、器具を使ったり服装を工夫したりする

感覚が過敏で疲れやすいなら、ITやテクノロジーの力を借りたり、身体に触れるものを工夫しましょう。

特に、周囲の環境によって症状を大きく左右される人にオススメです。

自分の特性に合う器具や工夫が見つかれば、疲れなくなります。

具体例①
  • 音に対して敏感なため、外出中はノイズキャンセリングのヘッドホンをつけています。
    このヘッドホンがあると普段大きなストレスを感じる音(人の話し声やクーラーの作動音など)が気にならなくなり、以前よりも快適に過ごせるようになりました。(K.Fさん)
具体例②
  • 首もとが詰まった服(タートルネックなど)を着るときや、ネクタイを締めるときに、首に違和感をおぼえて息苦しくなってしまいます。
    そこでTシャツのように、首が圧迫されない服装で生活するように心がけ、就職活動も「Tシャツで出勤可能」という条件をつけて行いました。
    そのおかげで、服装から起こる身体の疲れは大きく減りました。(Y.Kさん)

対策④身体を上手に動かせないなら、苦手な動作などを避ける

対策④身体を上手に動かせないなら、苦手な動作などを避ける

体を上手に動かせなくて疲れやすいなら、苦手な動作を求められる状況をなるべく避けるとよいでしょう。

変えられる動作を見つけて変えることで、疲れなくなります。

具体例①
  • 手先が不器用なため、靴ひもをうまく結べません。
    対策として、スリッポンやローファーなどの、ひもを結ばずに履くことができる靴を選んで買っています。(K.Tさん)
具体例②
  • 人ごみの多い道を歩いていると、向かいから来る通行人とぶつかってしまいます。
    そうなると身体も心も疲れ果ててしまうので、なるべく人通りの少ない道や、時間帯を選んで通勤するようにしています。
    例えば、早起きして通勤ラッシュの時間帯を避けるように心がけています。(H.Wさん)

対策⑤集中しすぎるなら、アラームを使う

対策⑤集中しすぎるなら、アラームを使う

集中しすぎて疲れやすいなら、アラームを使って、意識的に集中を途切れさせるとよいでしょう。

特に、自分では集中していることに気づかない人にオススメです。

過集中が発生しなければ、疲れも発生しません。

具体例
  • 本を読むときに没頭しすぎることを防ぐため、15分ごとにアラームで区切りの時間を教えてくれるスマホアプリを使っています。
    このアプリを利用するようになってから、適度に休憩を取りながら、身体に負担なく読書や勉強をできるようになりました。
    また、結果的に1日に読めるページ数も以前と比べて多くなっています。(R.Nさん)

その他、キズキビジネスカレッジの利用者さんの「疲れやすさ」への対策など

これまでにご紹介したもの以外にも、「発達障害が関係する疲れやすさ」は、人によって、原因や対策は様々に考えられます。

この章では、この記事の運営元である就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジの利用者さんに効果があった方法などを、随時掲載していきます。

30代女性・ADHD
  • 私はADHDの特性上、環境に適応する力が低いようで、外出するととても疲れてしまいます。
    何も対策をしていなかったころは、帰ってすぐ気を失うように眠りにつくこともありました。
    いろいろと考えるうちに、「私の疲れやすさの原因」は「自宅と外界との環境差に適応できていないこと(屋外の暑さなど)」であるとわかりました。
    対策を試行錯誤した結果、効果があった方法は「深呼吸しながらゆっくり移動する」でした。
    まず自宅を出て玄関の鍵を閉めたらそこで深呼吸をする。ゆっくり歩き始めて、電車に乗り、職場のビルのエントランスに入ったら深呼吸してから自席に向かい、仕事に取り掛かる前に深呼吸をする。
    全く疲れなくなるというわけではないのですが、帰宅後の疲労がだいぶ軽減され、すぐ寝ることはほとんどなくなりました。
    気温差に弱い、移動することによって目まぐるしく変わる環境に適応力がついていかない、という人にはオススメの方法です。

まとめ〜疲れやすいから、とあきらめないで〜

まとめ〜疲れやすいから、とあきらめないで〜

以上、発達障害に由来する疲れやすさの原因と、その対策法をお伝えしました。

同じような悩みを抱えるあなたの一助となったなら幸いです。

発達障害からくる疲れに悩んでいる人は、日常生活の中で様々なカベにぶつかるかもしれません。

しかし、それは多くのことをあきらめなくてはならないという意味ではありません。

疲れやすいポイントがたくさんあるということは、その対策もたくさんあるということです。

発達障害の特性がいろいろあるように、疲れへの対策方法も人によってさまざまです。

また、自分ひとりで疲れやすさと向き合う必要もありません。

家族、医師、同じような悩みを持つ人の話、行政のサービスといった周りの力も借りて、あなたなりの「疲れと向き合いいながら自分らしく生きる方法」を探してみましょう。

さて、発達障害のある人は、疲れやすいこと以外にも、キャリアプランや人間関係などについても悩みをかかえがちです。

そうした悩みについても、あなた一人で抱える必要はありません。

「自身の発達障害と、キャリアプラン・プライベートでの人生計画をどう考えようか」「発達障害の自分に向いた仕事は何だろうか」といったお悩みがあるなら、就労移行支援施設に相談してみましょう。

【最後に改めて…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?

「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)を利用した方は…

初任給
うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
就職までの期間
通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
就職率
通常52%のところ、
KBCでは82%
参考情報
よくある質問(1)

発達障害者は、なぜ「疲れやすい」のでしょうか?

原因としては、「周囲に適応しようと無理をしている」「睡眠をうまく取れない「感覚が敏感である」「身体を上手に動かせない」「集中しすぎる」などが考えられます。詳細はこちらをご覧ください

よくある質問(2)

発達障害者ができる、「疲れやすい」への対策はありますか?

例として、「周囲への適応を気にせず、社会常識にとらわれないようにする」「睡眠のためのリラックス法を行う」「敏感な感覚を緩和するため、器具を使ったり服装を工夫したりする」「身体を上手に動かせないなら、苦手な動作などを避ける」「集中しすぎるなら、アラームを使う」などがあります。詳細はこちらをご覧ください。

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