障害者雇用で働くための条件とは 3つのメリットと5つの注意点を紹介

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田淳平です。
障害者雇用枠での就労をお考えのあなたは、以下のような疑問や悩みをお持ちではありませんか?
- 障害者雇用で働くための条件は?
- 障害者雇用のメリットとデメリット(注意点)は?
- 障害者枠と一般枠、どちらがいいのかわからない
このコラムでは、上記のような悩みをお持ちの方向けに、障害者雇用の利用条件、概要、現状などを徹底解説します。
障害者雇用についての相談先も紹介しますので、ぜひ最後まで目を通してみてください。この記事を読むことで、「あなたに合う就職」が近づくはずです。
目次
障害者雇用枠で働くための条件
障害者雇用枠を利用する(障害者雇用枠にエントリーする、障害者雇用枠で働く)条件は、原則としては次のとおりです。
- 障害者雇用の対象となる障害・病気をお持ちであること
- 求人元に、(1)を証明する公的な文書類を示すこと
現実的・一般的な言い方をすると、「障害者手帳などを所持していること」となります。
「障害者手帳など」とは、以下のようなものを指します。(参考:埼玉県「障害者雇用促進法での「障害者」の範囲《障害者の仕事チャレンジ》」)
- 身体障害者手帳
- 療育手帳(自治体によって名称が異なる場合があります。例:東京都の「愛の手帳」)
- 判定書(児童相談所、知的障害者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医、障害者職業センターが発行)
- 精神障害者保健福祉手帳
求人元によっては、応募時に必要な文書類等を明記していない(応募できる条件が曖昧である)こともあります。そのような場合には、後述する支援団体なども利用しながら、必要書類を確認しましょう。
障害者手帳をまだお持ちではない方は、よければ、下記コラムをご覧ください。
障害者雇用で働く3つのメリット
この章では、一般枠(かつ、病気・障害のことを開示しないクローズ就労)と比較した観点での、障害者雇用で働くメリットを紹介します。
ご紹介する内容は一般論ですので、「実際のあなた」や「実際の職場」のメリットや注意点は、支援団体なども利用しながら検討することをオススメします。
メリット①業務内容や配属先への合理的配慮を受けられる
1点目は、「業務内容や配属先への合理的配慮を受けられる」という点です。
障害をお持ちの場合、特定の業務が苦手だったり、相性が悪かったりということが多々あります。障害者雇用で働く場合、障害の特性や程度に応じて、業務内容や職場環境について配慮を受けることができます。
発達障害の特性によって騒がしい職場が苦手ならイヤーマフなど音を遮断する道具の利用を許可される、対人折衝が苦手なら電話応対を業務から除外できる、などの配慮が考えられます。
精神障害の特性によって疲れやすい場合、疲れすぎないように「通常の休憩に加えた、業務時間中の休憩」を設けることができたり、残業がなくなるように業務量を調整するような配慮を受けたりできます。
こうした業務内容や配属先への配慮は、無理をせずに長く働き続けることを考える上で、大きなメリットと言えるでしょう。
「一般枠であれば、絶対に配慮を得られない」というわけではありません。一般枠でも、事業者は、過剰な負担にならない範囲で合理的配慮を提供する義務があります(2021年5月に可決成立した改正障害者差別解消法によって、それまでの「努力義務」から「義務」に変わりました)。
メリット②障害を開示できることによる安心感がある

メリットの2点目は、「障害を開示できることによる安心感がある」ことです。
一般雇用枠で、なおかつ障害を明かさずに働くことを「クローズ就労」と言います。
クローズ就労の場合は、障害を隠さなければならないことで、人によっては「発覚したらどうしよう」という精神不安が生じると考えられます。
一方、障害を開示して働く「オープン就労」であれば、あなたの状態に理解がある上で働けるため、安心感があります(後で述べるように「一般雇用枠でオープン就労」という選択肢もあります)。
また、障害を明かした状態で働くと、体調が悪化した際などに状況を伝えやすくなる・理解してもらいやすくなるというメリットも期待できるでしょう。
オープン就労、クローズ就労については、それぞれ下記のコラムで詳細をお伝えしていますので、よければご覧ください。
メリット③支援機関と就職先の連携したサポートを受けやすい
「支援機関と就職先の連携したサポートを受けやすい」というのも大きな利点です。
例えば、障害者の就労を支援する福祉サービスとして、「就労移行支援事業」というものがあります。
障害者枠に応募・就職する場合、就労移行支援事業所は、就職の前にも後にも、「あなた」と「求人元(就職先)」の間に入って、労働環境の調整のためのサポートを行います。
特に就職後にその職場で長く働き続けるためのサポートのことを、一般的に「職場定着支援」と言います(定期的な面談や相談などを行います)。以下の図を見ると、精神障害のある人の場合、職場定着支援を受けている人の方が、定着率が20%以上も高いことがわかります。

(出典:障害者職業総合センター「障害者の就職状況等に関する調査研究」)
こうしたサポートは、障害者枠の方が充実します。
一般枠でも、「あなた」との相談・サポートは可能です。しかし「職場も交えた相談・サポート」を行う場合、「あなたが病気・障害を持つ」ということが職場に伝わります。それをあなたが望まない場合は、利用できるサポートの幅が狭くなるのです。
障害者雇用で働く5つの注意点
続いて、障害者雇用の注意点をご紹介します。数としてはメリットよりも注意点の方を多く紹介していますが、メリットと注意点のどちらが上回るのかは、「実際のあなた」と「実際の求人元(就職先)」によって異なるので、フラットな気持ちでご覧ください。
注意点①給与水準が比較的低い

1点目は、「給与水準が比較的低い」ということです。(出典・参考:厚生労働省「平成30年度障害者雇用実態調査結果」、国税庁「平成30年分民間給与実態統計調査結果について」)
2018年度の、一般雇用と障害者雇用の月額平均給与は、以下のように差があります。
- 一般雇用:約36万8千円
- 障害者雇用(身体障害者):21万5千円
- 障害者雇用(知的障害者):11万7千円
- 障害者雇用(精神障害者):12万5千円
- 障害者雇用(発達障害者):12万7千円
この差には、障害者雇用の業務内容は簡易事務や軽作業が多いこと、役職者になることが少ないことが大きく関係していると思われます。また、補足で述べる「雇用形態の違い」と「週所定労働時間が少ない」点も関わっていると考えられます。
補足①雇用形態の違い
一般的には「無期契約の正規雇用」がもっとも給与を得られます。厚生労働省の調査結果によると、精神障害者の例では、雇用形態別の割合は以下のようになっており、「無期契約の正社員」は全体の1/4です。(出典:厚生労働省※PDF「平成30年度障害者雇用実態調査結果」)
- 無期契約の正社員:25.0%
- 有期契約の正社員:0.5%
- 無期契約の正社員以外:46.2%
- 有期契約の正社員以外:28.2%
- 無回答:0.1%
補足②週所定労働時間が少ない
障害者枠の週所定労働時間は、「通常(30時間以上)未満」が半数以上となっています。一般枠では「1日8時間×5日間=週に40時間」が多いので、労働時間が少ない分、給料も少なくなっている、ということでしょう。
注意点②求人の種類が比較的少ない
次の注意点は、「求人の種類が比較的少ない(職種の選択肢が狭まる可能性がある)」というものです。
障害者枠の求人の種類(職種)は、一般事務や軽作業が多い傾向にあります。逆に言うと、営業職や総合職などは、少ない傾向が見られます。
求人の種類(職種)が少ないということは、「就職直後の仕事内容」に加えて、「長期的な視点での、社会人としてのキャリア・スキル」「給料の金額が比較的低いこと」にも関係します。
注意点③求人の数が比較的少ない

求人の「種類」に加えて、求人の「数」が比較的少ないことも、障害者雇用の注意点です。
求人数は年々改善されています。それでも、一般枠に比べると、障害者雇用枠の求人数はまだまだ少ないというのが現状です。
注意点④病気・障害を開示する心の負担が生じる
個人差はありますが、「病気・障害を開示する心の負担が生じる」ことは、注意が必要です。
「自身が病気・障害を持つ」という事実に大きな抵抗感や困難を感じることがあるのです。その場合、親しい家族や友人でもない応募先の人に自らの病気・障害を開示することは、大きな負担となるでしょう。
ただし、病気・障害を開示することで、「すごく気が楽になった」という人が多いこともまた事実です。
注意点⑤病気が寛解した後に、同じ条件で働き続けられないことがある

障害者枠で働くためには、障害者手帳などの所持が必要です。逆に言うと、障害者手帳などを持っていない場合、障害者枠は利用できません。
例えば、「うつ病が理由で障害者手帳を持っていたが、寛解(かんかい・病気による症状や検査異常が消失した状態のこと)しために返納した」というような場合、同じ部署の同じ条件で働き続けることが難しくなる場合があるのです。
返納の可能性がある場合は、就職活動などの段階で「返納した場合はどうなるか」を確認しておきましょう。
病気が治ること自体は喜ばしいことですので、同じ条件での勤務ができなくなったときには、ポジティブに、「新しいことにチャレンジできるようになった」と考えるといいかもしれません。
障害者雇用以外の働き方3選
この章では、障害者雇用以外の働き方を3つ紹介します。
一般枠でオープン就労

前章まででご紹介した一般枠の話は、主には「クローズ就労(応募先に病気・障害のことを明かさない)」についてのものです。
ですがもちろん、「一般枠でオープン就労(応募の段階で、病気・障害のことを明かす)」という選択もあり得ます。
これがうまくいきますと、幅広い職種・求人数の中から、「病気・障害への配慮を受けやすい上で、給料などの待遇は一般枠と同等」の仕事に就ける可能性があります。
ただし現実的には、「必要な配慮ができない求人元」はあるでしょうし、あなたの側にも「配慮を受けたとしても、1日8時間働くのは難しい」などの都合があるかもしれません。
大切なのは、一般枠・障害者枠・オープン就労・クローズ就労といった「一般論的な言葉」にこだわるのではなく、「実際のあなた」と「実際の求人元(職場)」についてよく検討することです。
そのためにも、後で紹介する相談席を積極的に利用することをオススメします。
障害者枠に就職・転職した後、一般枠に転職
一度障害者枠に就職・転職した後に、一般枠に転職することも可能です。
詳細は、下記コラムをご覧ください。
多い特例子会社

特例子会社という、「障害者が多く働いている会社」があります。
一般的には、特例子会社は、特に病気・障害への配慮が手厚いと言えます(もちろん同様に配慮が手厚い、特例子会社以外の職場もあります)。
特例子会社という仕組みがある理由や、特例子会社の詳細などは、下記コラムをご覧ください。
障害者雇用に限らず、障害のある人の就労をサポートする団体7選
この章では、障害者雇用を含めて、障害のある人の就労(就職のための準備・就職活動・就職後の社会人生活など)をサポートする団体を紹介します。
もちろん、「(この求人の)障害者枠に応募するべきか」についても、「実際のあなた」と「実際の求人元」に基づいて相談できます。
それぞれの概要を見た上で、気になる団体があれば、話を聞いたり見学に行ったりすることをオススメします。また、お住まいの市区町村役所の障害者福祉担当部署に行って、自分向きの団体を聞く方法もあります。
①就労移行支援事業所

就労移行支援事業所は、一般企業への就職を目指す病気や障害のある人向けに、障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを提供しています。
就労移行支援事業の対象となるのは、以下の条件を満たす方です。
- 原則18歳から65歳未満であること
- 一般企業への就職または仕事での独立を希望していること
- 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害や難病を抱えていること
- (1)〜(3)を満たせば、障害者手帳は必須ではありません
障害者手帳が交付されていない軽度のうつ病の人などでも、専門医による診断書があれば支援を受けることができます。
具体的な支援内容は事業所によって異なりますが、一般的には次のような幅広いサポートを行います。
- 仕事で活かせる知識・技能の習得
- 仕事や私生活で活かせるメンタル面のサポート
- 「どのような仕事や働き方が向いているのか」のアドバイス
- 転職先候補の業務や雰囲気を体験できる「職場体験実習(インターン)」の紹介
- 履歴書・経歴書・エントリーシートの作成支援
- 面接対策
- 転職後の職場定着支援
就労移行支援についてさらに詳しく知りたい方は、下記コラムご覧ください。
②ハローワーク
ハローワークでは、障害者枠・一般枠の両方の求人を探すことができます。また、採用面接への同行支援やトライアル雇用といった制度もあります。(参考:「ハローワークのサービスについて(障害のある方向け)」)
障害などのために安定的な就職が困難な人のための制度。3か月の試行雇用(お試し期間)を経て、雇用者・被雇用者の両方が同意した場合に、期間の定めのない雇用へ移行することができます。詳細は、コラム「トライアル雇用とは?トライアル雇用の利用を考えている求職者・企業の方への情報まとめ」をご覧ください。
さらに、ハローワークは、「障害のある人向け」のサービスとして、障害について専門的な知識を持つ職員・相談員を配置しており、就職に関する相談に乗っています。障害者手帳を持っていない人でも相談できます(後述の「発達障害者トータルサポーター」をご覧ください)
相談を通じて、就労に必要なスキルなどを身につけるための職業訓練(ハロートレーニング)につながることも可能です(後述の「職業能力開発訓練校」をご覧ください)。
ハローワークの全国一覧はこちらをご覧ください。
現実として、仕事探し・転職活動は、ハローワーク「だけ」で行うことはオススメしません(ハローワークに求人を出していない企業・団体も多いため)。ハローワークで相談したり仕事を探したりする場合も、他のサポート団体の併用をオススメします。
③地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、障害を抱える一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、復職支援、職業訓練などの専門的な職業リハビリテーションサービスを提供しています。
運営は、「独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構」が行っており、全国47都道府県に設置されています(全国の一覧はこちらです)。
また、当事者だけでなく、事業主に対しても雇用管理に関する相談・援助を実施していますので、障害者雇用をご検討中の事業主の方も、有益なアドバイスが得られるでしょう。
④障害者就業・生活支援センター
障害者就業・生活支援センターでは、就業及びそれに伴う日常生活上の支援が必要な障害のある人に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施しています。(参考:厚生労働省※PDF「障害者就業・生活支援センター」)
就職・労働面に限らず、生活面での支援を受けたいという方にオススメです。
厚生労働省の資料によると、2019年5月時点で334センターが設置されています。
当事者の身近な地域において、就業面と生活面を一体に捉えた相談と支援を行っています。仕事に関係する支援だけでなく、金銭管理などの経済面や住居のことまで、多岐にわたって相談できるということです。
⑤発達障害者支援センター

発達障害者支援センターは、発達障害の早期発見と早期支援を目的として、特性に悩む当事者や家族の生活をサポートする支援機関です。
文字どおり、障害の中でも「発達障害」の関係者が利用できます。
幼少期から発達障害が疑われる人だけでなく、大人の発達障害の人も支援の対象です。また、確定診断がなくても、発達障害の可能性がある人であれば、窓口での相談が可能となっています。
センターによっては、精神保健福祉士や社会福祉士などが在籍していますので、より「発達障害に特化したサポート」を受けられる点に特長があります。
窓口は、各都道府県や指定の事業所に設置されていますので、支援をご希望の方は以下の参考リンクからお近くの相談窓口を探してみるとよいでしょう。
発達障害者支援センターの全国一覧はこちらです。
⑥障害者雇用に特化した転職サイト・転職エージェント
現代の仕事探しでは、転職エージェントの利用は一般的な方法と言えます。近年では、病気や障害のある人への転職支援も行っているところが増えてきています。
⑦地域若者サポートステーション
地域若者サポートステーション、通称「サポステ」は、「働くことに踏み出したい15歳~49歳までの現在、お仕事をされていない方や就学中でない方」たちとじっくりと向き合い、「働き出す力」を引き出し、「職場定着するまで」を全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関です。
地域若者サポートステーションの全国の一覧はこちらをご覧ください。
そもそも障害者雇用とは?
続いて、障害者雇用の概要をご紹介します。少し専門的な「制度の話」ですので、「障害者雇用の状況は年々よくなっている」とだけご理解いただいた上で、次章「障害者雇用で働く3つのメリット」まで進んで問題ありません。
①障害者雇用とは、「障害のある人専用の雇用枠」のこと

障害者雇用とは、「特定の病気や障害のある人が、その人の能力と特性に応じて働けるように、障害のある人専用の雇用枠を設けて雇用すること」を言います。
俗に、障害者雇用ではない雇用のことは、「一般雇用」と言います。
障害者雇用のための求人(障害者枠、障害者雇用枠)は、一般雇用の求人(一般枠、一般雇用枠)とは区別されていることがスタンダードです。
②障害者雇用は、法律に基づいて実施されている
障害者雇用は、国の定める「障害者の雇用の促進等に関する法律(以下「障害者雇用促進法」)」に基づいて、各事業主や自治体が行っています。(参考:厚生労働省「障害者雇用対策」)
その目的は、障害の有無に関わらず、誰もが自分の能力・適性に応じて雇用される機会を持ち、地域で自立した生活を送れるような社会を実現することです。
個々の障害者雇用対策制度は、厚生労働省が主導する形で定められています。
具体的には、雇用する労働者全体の一定割合を障害者で満たすよう義務づける「障害者雇用率制度」や、雇用義務数を満たせなかった場合に納付金を徴収する「障害者雇用納付金制度」など、現在までに様々な施策が実施されています。
③障害者雇用における、「障害者」の定義

障害者雇用促進法の中では、障害者は以下のように定義されています。
身体障害、知的障害又は精神障害(以下「障害」と総称する。)があるため、長期にわたり、職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な者をいう。
その上で、各障害者の細かな定義は「身体障害者福祉法・知的障害者福祉法・精神保健福祉法」で定められています。(参考:厚生労働省※PDF「障害者の範囲」)
④障害者雇用の範囲・条件は、改善され続けている
障害者雇用の範囲や条件は、変化しています。
例えば、先に述べた障害者の法定雇用率は、下記のように、定期的な見直しがされています。
- 1987年〜:1.5%
- 1988年〜:1.6%
- 1999年〜:1.8%
- 2013年〜:2.0%
- 2018年~:2.2%
- 2021年〜:2.3%
また、2018年4月には、障害者雇用の義務対象(障害者の法定雇用率にカウントすべき対象)に「精神障害者」が加わりました。つまり、精神障害を持つ人が、障害者雇用枠で就職できるようになったということです。
こうした障害者雇用の範囲や条件の改善は、実際の雇用数の上昇に繋がっているというデータが出ています。

(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「図16 民間企業における障害者雇用状況の推移(各年6月1日現在)」)
2004年頃から2020年にかけて、「雇用されている障害者数」を示す中段の黒線が、右肩上がりになっていることがわかります。
補足:障害者雇用を検討中の企業様へ

最後に、障害を持つ当事者の方から視点を移して、障害者雇用を検討中の企業様に向けて補足します。
「現在、障害者雇用を考えているものの、具体的にどのように進めたらよいのかわからない」という悩みをお持ちの企業様も、ぜひ私たちキズキビジネスカレッジ(KBC)にご相談ください。
また、すでに障害者雇用に取り組んでいる会社様でも、次のようなお悩みがあるかもしれません。
- 職場定着が進まずに、人員をうまく確保できない
- 特性をもっとよく理解して適切な人員配置を学びたい
キズキビジネスカレッジ(KBC)では、こうした課題に対して、障害者雇用についての簡単な説明や、知見の共有を行うだけでなく、貴社にマッチしそうな通所者をご紹介させていただいております。
専門の支援員が、御社の求める人物像や特性をお伺いしながら、雇用に向けた調整を丁寧に進めていきます。
加えて、雇用後のスムーズな職場定着を促すために、ご担当者様や関係機関と連携しながら、職場環境の調整をご支援することも可能です。
障害者雇用でお困りの企業様は、ぜひ一度、お声掛けください。
まとめ:障害者雇用の就労条件や内容を詳しく知りたい方は支援機関に相談しましょう

障害のある人の雇用をめぐる状況は、年々改善されてきています。
その上で、実際の就職活動や就職後の社会人生活は、「あなた一人」で抱え込むのではなく、サポート団体を利用することで、よりうまく進んでいきます。
「障害者枠に応募するかどうか」に限らず、ぜひ、サポート団体を積極的に利用してください。この記事が、お役に立ったなら幸いです。
障害者雇用枠で働くための条件を知りたいです。
原則としては次の2点です。(1)障害者雇用の対象となる障害・病気をお持ちであること、(2)求人元に、(1)を証明する公的な文書類を示すこと。現実的・一般的な言い方をすると、「障害者手帳などを所持していること」となります。詳細はこちらをご覧ください。
障害者雇用で働くメリットを知りたいです。
一般論として、次の3点が挙げられます。(1)業務内容や配属先への合理的配慮を受けられる、(2)障害を開示できることによる安心感がある、(3)支援機関と就職先の連携したサポートを受けやすい。詳細はこちらをご覧ください。
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2023年7月現在10校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
執筆寺田淳平
てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→