就労定着支援とは?支援内容/利用の流れ/実施団体などをまとめて紹介! | キズキビジネスカレッジ  

就労定着支援とは?支援内容/利用の流れ/実施団体などをまとめて紹介!

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジの寺田淳平です。

病気や障害のあるあなたは、「職場に馴染んで長く働き続けたいけれど、うまく定着できない(一つの職場で長く働き続けられない)」とお悩みではありませんか?

「就労定着支援」という言葉を知ってはいるものの、具体的な支援内容や、利用の流れまでは知らない人は多いです。

この記事をお読みのあなたも「就労定着支援とはどのようなサービスなのか」を知りたくて、このページを開いたのではないでしょうか?

そこで今回は、就労定着支援の支援内容から利用の流れまでをわかりやすく解説します。

サービスを提供している団体や、事業所を選ぶときのポイントも解説しますので、就労定着支援について知りたい人は、ぜひ読んでみてください。

※就労定着支援とは、一般に言われる「職場定着支援」の一つです。就労定着支援以外の職場定着支援については、コラム「職場定着支援とは?利用条件・利用の流れ・5つの支援団体を紹介」をご覧ください。

【本文に入る前に…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?

「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)を利用した方は…

初任給
うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
就職までの期間
通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
就職率
通常52%のところ、
KBCでは82%

監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。

【著書ピックアップ】
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』

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翔泳社公式 【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)

【その他著書など(一部)】
学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』

日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧

【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)

執筆寺田淳平

てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。

サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)

うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→

就労定着支援の支援内容と利用の流れ

就労定着支援の支援内容と利用の流れ

この章では、就労定着支援の利用の流れを就職前後4段階に区切った上で、それぞれの期間に行われる支援を紹介します。

ここでは、私たちキズキビジネスカレッジと同様に、「就労移行支援と就労定着支援を合わせて提供している事業所」を例に見ていきましょう(※就労移行支援事業所以外の就労定着支援を実施している団体は、後でご紹介します)。

補足1

この例は、就職先(エントリー先・内定先)に病気・障害のことを明かす「オープン就労」の場合の「あなた、事業所・就職先の、三者間の支援」です。病気・障害のことを明かさない場合は、「あなた・事業所の、二者間の支援」となります。

補足2

①②③は「就労移行支援による、入社後半年間のサポート(定着サポート)」、④が「就労定着支援」の内容です。少しややこしいかもしれませんが、「就職前後の全体の流れ」を考慮して、このようにしています。

①就職前の支援

就労移行支援事業所では、就職前の段階で、エントリー先や内定先の職場と、「生じそうな困りごとと、その対策・必要な配慮」などを調整できます。

②就職直後の支援

就職直後には、実際に働く中で気づいた点や生じた課題を元に、より具体的な調整をしていく時期です。

労働者と職場のコミュニケーションを円滑にするための職場訪問、業務量の調整、不安の解消といったサポートが行われます。

より具体的な例としては、「ASDでコミュニケーションに困難がある人」のために、職場に「その人のための、業務での指示の出し方」をレクチャーする、などが考えられます。

人によってペースは様々ですが、定期面談を継続することで、利用者の心身の変化に寄り添いながら、適切な支援を実施します。

③就職後半年までの支援

職場定着が進んできた場合、定期面談の頻度などを調整しながら、「職場の同僚や上司といった周囲の人たちに自分から手助けや理解を求められること」を目指して支援が行われます。

同時に、職場の人たちに対しても、「就労定着支援の利用者を自然にサポートできるようなサポート」もしていきます。

就職後半年が過ぎた後に、継続して就労定着支援を受けるためには、そのための移行手続き(契約)が必要となります(事業所から案内があるはずです)。継続利用をしたいなら、お住いの市区町村役所に、「受給者証」の発行を申請しましょう。

④就職後半年以降の支援

就労定着支援への正式移行を行った場合、就職後半年以降に、就労定着支援の方向性や詳細を話し合い、就職後に実行していく支援内容を定めた「支援計画書」を作成します。そして、月に一度などの頻度で状況確認を行います。

短時間のヒアリングから丁寧な相談まで、利用者の職場定着状況に合わせた相談支援を行いながら、利用者の自立を目指します。

最終的には、支援の利用期間が終わった後でも、利用者が職場に悩みなどを気軽に相談できる関係性を築き、長期的に働けるようにすることが目標になります。

就労定着支援を利用できる人

就労定着支援を利用できるのは、「生活介護、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援を利用して、就職した障害者」です。(参考:厚生労働省※PDF「就労定着支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」

ここで言う「障害者」には、うつ病などの「精神障害(精神系の病気)のある人」も含みます。

「生活介護」「自立訓練」「就労移行支援」「就労継続支援」の概要は、後でご紹介します。

就労定着支援の利用料金

就労定着支援の利用料金

就労定着支援の利用料金は、公的に定められているため、「事業所によって異なる」ということはありません。その上で、実際の利用金額(自己負担額)は、サービス利用者の前年の収入状況などによって異なります。

大まかには、次のような感じです。

  • 住民税が非課税の場合:自己負担なし(無料で利用可能)
  • 前年の年収204万円以上の場合:自己負担は、月額約3,500円

基本的には、いわゆる「1割負担」で利用できることが多いです。前年度に収入がなかったり、納税額が一定以下だったりした場合などは、料金の発生が就労定着支援の利用後2年目からとなることも多いです(その前年に就職して、給料の受け取りを開始しているため)。

料金体系や、「実際のあなた」に必要な費用を確認したい人は、お住まいの地域の市区町村役所の、障害福祉の担当窓口に問い合わせてみてください。

就労定着支援の利用方法

就労定着支援を利用するためには、まずは事業所を探す必要があります。探し方には、次のような方法があります。

(1)就職までに利用していた「生活介護」「自立訓練」「就労移行支援」「就労継続支援」の事業所で就労定着支援を受けたい場合は、その事業所に、引き続き就労定着支援を利用できるかを確認する(事業所によっては、就労定着支援を実施していないことがあります)

(2)就職までに利用していた事業所が就労定着支援を行っていない場合や、別の事業所で就労定着支援を受けたい場合は、お住まいの市区町村役所の障害福祉担当窓口に問い合わせる

(3)就職までに利用していた事業所以外で、気になる就労定着支援事業所があるなら、そこに直接問い合わせる(ほとんどの事業所では、「無料相談・無料見学・無料体験利用」を行っています)

実際に利用したい事業所が決まったら、市区町村役所へ行き、「障害者福祉サービス受給者証」を発行します。受給者証発行のためには、一般的には「専門医による診断書」が必要です。

サービス受給者証や診断書の取得方法に不安があるならば、事業所に相談すると、あなたの事情に合わせて、詳しく教えてくれるはずです。

障害者福祉サービス受給者証が発行されたら、診断書と一緒に事業所へ持って行き、利用契約を結びます。

就労定着支援を利用できる期間

就労定着支援を利用できる期間

就労定着支援を利用できる期間は、「最長で3年間」です(1年ごとに利用の可否を更新)。(参考:厚生労働省※PDF「就労定着支援に係る報酬・基準について≪論点等≫」

参考(1)

就労移行支援事業所などを利用して就職した場合は、まず、就職後6か月間は、その就労移行支援事業所による定着サポートが受けられます。上記の「最長3年」はこの6か月間は含まれませんので、この場合は事実上「3年6か月」の就労定着支援を受けることが可能です。

参考(2)

就労定着支援は、「必ず3年(6か月)利用しなくてはならない」というわけではありません。支援を受けている側が「職場定着支援は、もう受けなくて大丈夫」と思った場合は、その時点で終了することができます。

補足①就労定着支援の利用期間が過ぎた後も、別の支援がある

就労定着支援の最長利用期間が過ぎた場合、または利用の更新ができなかった(更新をしなかった)場合は、就労定着支援は終了となります。

その場合も、「働くことに対する支援」が全くなくなるわけではありません。「障害者生活・就業センター」や「地域障害者職業センター」などで、各種の相談をしたり支援を受けたりすることは可能です。

通常は、就労定着支援が終了する前後に(または支援と並行して)、事業所からそうした「別の支援」を案内・紹介されます。

障害者就業・生活支援センター

就業及びそれに伴う日常生活上の支援が必要な障害のある人に対し、センター窓口での相談や職場・家庭訪問などを実施している支援機関です。全国の一覧はこちらです。

地域障害者職業センター

障害を抱える一人ひとりのニーズに応じて、職業評価、復職支援、職業訓練などの専門的な職業リハビリテーションサービスを提供している支援機関です。全国の一覧はこちらです。

補足②事業所を変更することは可能

ある事業所で就労定着支援を受けている途中で、事業所を変更すること(在籍している事業所をやめて、別の事業所に入所すること)ことは「可能」です。

変更によるペナルティや変更回数制限などもありません。ただし、変更する際には、障害者福祉サービス受給者証を発行している市区町村役所への報告が必要です。

「ここは自分に合っていない」と感じることがあれば、「就労定着支援そのものを止める」のではなく、別の事業所を探してみることをオススメします。

補足③「就労移行支援など」と「就労定着支援」で、事業所が別でも問題ない

就職までに利用していた「就労移行支援事業所・就労継続支援事業所など」と、就職してから利用する「就労定着支援事業所」は、異なっていても問題ありません。

「就職するまでのサポートは自分に合っていたけど、就職してからのサポートは合っていないな…」と思うようであれば、事業所の変更を検討してみましょう。

補足④就労定着支援を受けている最中に転職した場合も、引き続き支援を受けられる

就労定着支援の利用中に転職することも、転職後に引き続き(または改めて)就労定着支援を受けることも可能です。

ただし、就労定着支援を受け続けるためには、次のような条件があります。

  1. 就労定着支援の利用中の転職が1回目であること
  2. ①に加えて、退職から転職までに離職期間がある場合、それが1か月以内であること
  3. ②に加えて、就労定着支援を利用できる最長期間を過ぎていないこと

就労定着支援を提供している5つの団体(事業所)

就労定着支援を提供している5つの団体(事業所)

この章では、実際に就労定着支援を提供している可能性がある5つの団体と、それらが行っている就労定着支援以外の支援を紹介します。

補足1

就労定着支援の実施団体の多くは、②の就労移行支援事業所です(他の事業所が複合的に行っている場合もあります)

補足2

「実際のあなた」が利用できそうな就労定着支援事業所(やその他の支援)については、現在利用している(または今後利用したい)各事業所、市区町村役所、病気・障害のある人たちの就労を支援する各種サポート団体などに尋ねてみることをオススメします。

①就労定着支援事業所

文字どおり、「就労定着支援」を行う事業所です。ただし現実的には、「就労定着支援のみを行う事業所」というよりも、「(次項の)就労移行支援事業所が、就労定着支援事業所を兼ねている」ことが多いようです。

事業所の探し方としては、自治体の障害福祉担当の窓口や、インターネット検索の他に、専門のウェブサイト(例:公益財団法人東京都福祉保健財団が運営する「福ナビ」)もあります。

②就労移行支援事業所

就労移行支援事業所とは、一般企業への就職を目指す、病気や障害のある人たち向けに、生活面から仕事面に至るまで、包括的な障害福祉サービスを提供している支援機関です。

就労移行支援事業を利用できるのは、以下の条件を満たす人です。

  • 原則18歳から65歳未満であること
  • 企業などへの就職または仕事での独立を希望していること
  • 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害、難病を抱えていること

障害者手帳は必須ではなく、専門医による診断書があれば支援を受けることができます。相談は無料ですので、支援内容に興味を抱いた事業所に一度、詳細をお問い合わせいただくとよいでしょう。

補足

現時点で就職しておらず、就職活動から職場定着までを一連の流れとした支援を望むなら、特にオススメです。就職前からサポートを受けていた場合、支援者があなたの性格や特性を詳しく知っていることで、よりスムーズな定着支援が受けられやすくなるためです。

就労移行支援事業所の詳細は、コラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」をご覧ください。

③就労継続支援事業所A型/B型

就労継続支援事業所A型/B型では、現時点で一般企業への就職が難しい障害者の人に、事務業務や軽作業等の実業務の機会の提供や必要な能力の向上を行う職業訓練サービスを提供しています。

「就労移行支援」と「就労継続支援」の違いも、前掲のコラム「就労移行支援とは?サービス内容から就労継続支援との違いまで解説」に記載しています。

就労継続支援事業所B型の詳細は、コラム「就労継続支援B型とは?概要・作業内容・事業所選びのコツなどを、10年間の通所経験者が紹介!」をご覧ください。

④生活介護事業所

生活介護事業所とは、入浴・排せつ・食事などの介護や援助が必要な障害者を対象に、必要な介護や日常生活面の助言・相談を行っている支援施設です。

創作的活動・生産活動の機会の提供や、身体機能・生活能力の向上のために必要な支援なども実施しています。

⑤自立訓練事業所

自立訓練事業所は主に、「機能訓練」を目的とする事業所と、「生活訓練」を目的とする事業所に分かれます。

機能訓練については、支援者が障害者のある人のお宅を訪問して、理学療法・作業療法・リハビリテーションといった機能訓練を施したり、生活面での相談・助言を行ったりしています。

生活訓練についても、基本は支援者が障害のある人のお宅を訪問して、入浴・排せつ・食事といった自立した日常生活を営むために必要な訓練や、生活面での相談・助言を行います。

就労定着支援事業所を選ぶときのポイント4選

就労定着支援事業所を選ぶときのポイント4選

ここからは事業所を選ぶときのポイントを、4点に分けて紹介します。

大切なのは、支援員への相談・見学・体験通所などを行い、ご自身の目で事業所を判断し、「あなたに合った支援先」を見つけることです。

前もってご自身の目で確認すれば、事業所の雰囲気や支援の内容を把握しやすくなるため、ミスマッチを減らすことができます。

ぜひ、以下の選び方を参考にしつつ、気になる事業所があれば、支援員に相談したり、訪問したりしてみてください。

ポイント①自治体や専門機関に支援内容を相談する

1つ目のポイントは「自治体や専門機関に支援内容を相談する」ことです。

就労定着支援の内容(定期面談や個別支援計画の作成など)は、事業所ごとに、重視ポイント、方針、雰囲気、具体的なアドバイスなどに個性があります。

あくまで一例として、「お勤め先との環境調整や、仕事の進め方に関する助言・指導に重点を置いている事業所」もあれば、「体調管理やメンタル面のサポートといった、生活面の支援を重視している事業所」もあるでしょう。

そうした支援の違いなどを知るためにも、自治体や専門機関などの詳しい人に相談することをオススメします。

具体的には、前にも述べた「障害者生活・就業センター」や「地域障害者職業センター」などでは、無料相談が可能です。

就労定着支援に関する情報収集も兼ねて、そうした自治体や専門機関に在籍する人の意見を取り入れることも、あなたに合った事業所を選ぶポイントになります。

ポイント②あなたの病気や障害の対応状況はどうか

あなたの病気や障害の対応状況

「あなたの病気や障害の対応状況はどうか」も選び方のポイントです。

就労定着支援を実施している事業所には、通常、支援に関わる実務経験や資格を有する「サービス管理責任者」が在籍しています。

その上で、さらに社会福祉士や臨床心理士などの専門員が所属している事業所もあります。

そのため、精神障害のある人であれば精神保健福祉士、身体障害の場合であれば介護福祉士など、専門職の在籍があるかどうかを確認するのも、大切なポイントの一つです。

こうした専門員が所属していると、あなたの病気や障害の実情に即した支援を受けられる可能性が高くなります。

とはいえ、「有資格者がいなければ、あなたに向いていない」ということではありません。有資格者はいなくても、基本的には各病気や障害に対応することが可能なはずです。

「資格の有無」にこだわらず、「あなたの病気や障害への対応状況や実績はどうか」について尋ねることが重要になります。

ポイント③雰囲気や支援員との相性が合っているかどうか

3点目は、「雰囲気や支援員の性格があなたに合っているかどうか」です。

カウンセリングや通院と同様に、事業所の雰囲気や支援員との相性というものはあります。

事業所との定期面談や通所を無理なく続けるには、あなたの性格と事業所の雰囲気、または支援員の性格が合っているかという点は、必ず確認しておきましょう。

また、事業所の雰囲気を掴むためには、事業所に通っている人が、どんな様子で過ごしているかを、ご自身の目で見てみるとよいかもしれません。

このように相性を確認するためには、やはり見学や体験通所を重ねることが大切です。

ぜひそうした機会を活かして、あなたの性格とマッチした支援員が多くいそうな事業所を探してみてください。

ポイント④あなたの働き方や職種の定着実績の状況はどうか

最後のポイントは、「あなたの働き方や職種の定着実績の状況はどうか」です。

例えば、「一般枠で、プログラマー」という働き方をしている人の場合、同じような働き方・職種の定着実績が豊富な事業所に通うことで、より適切なサポートを受けやすくなります。

逆に言うと、「障害者枠に強いけれど、一般枠の実績があまりない事業所」や、「軽作業職の実績は豊富だけれど、専門的な職業に詳しくない事業所」などでは、適切なサポートが受けられない可能性がある、ということです。

問い合わせの際に、自分の職種での就労定着支援実績があるかを確認しましょう。

ただし、「実績がなければ、適切なサポートは絶対に受けられない」というわけではありません。全体的な雰囲気や方針によっては、あなたに向きのサポートを受けられる可能性はもちろんあります。

改めて、就労定着支援が行われる背景

就労定着支援が行われる背景

この章では、改めて、就労定着支援が開始された背景をご紹介します。

少し難しい制度やデータの話ですので、「病気や障害のある人が、仕事を長く続けるためのサポートである」「国も企業も、病気や障害のある人の定着率を高めたいと思っている」とご理解いただければOKです。

①就労定着支援は、「職場へのスムーズな適応」のための支援

就労定着支援は、障害や病気のある人のために、職場へのスムーズな適応を目的としています。「職場」と「障害のある労働者」の間に入って、定期面談などを行い、労働環境の調整などのサポートを行います。

厚生労働省では、就労定着支援の内容を、以下のように具体的に定めています。

障害者との相談を通じて生活面の課題を把握するとともに、企業や関係機関等との連絡調整やそれに伴う課題解決に向けて必要となる支援を実施。具体的には、企業・自宅等への訪問や障害者の来所により、生活リズム、家計や体調の管理などに関する課題解決に向けて、必要な連絡調整や指導・助言等の支援を実施。

引用元:厚生労働省※PDF「就労定着支援に係る報酬・基準について

②就労定着支援が行われる理由

就労定着支援が行われる理由の一つに、障害のある人の「離職率の高さ」が挙げられます。

2017年の障害者職業総合センターの調査によれば、「障害のある人の、就職1年後の職場定着率」は、下記のとおりです。(出典:障害者職業総合センター「障害者の就職状況等に関する調査研究 」

身体障害:60.8%
知的障害:68.0%
発達障害:71.5%
精神障害:49.3%

参考として、同年の新規大卒就職者の1年後の離職率は「11.9%」、つまり職場定着率は「88.1%」です。(参考:厚生労働省「新規学卒就職者の在職期間別離職率の推移」)

「障害のある人」は、「そうでない人」に比べて、離職率が高いと言っていいでしょう。

また、2015年の調査では、障害のある人が転職・退職を決断する前に求めていたフォローや対応の第1位に「障がいへの理解・配慮」が挙がっています。(参考:障がい者総合研究所「転職・退職理由に関するアンケート調査」

こうした「障害への理解・配慮が足りないことによる離職」を防ぐために、専門的な知識のある支援者(第三者)が、職場と労働者の双方に対して、適切な配慮や仕事と生活の両立の仕方などについての指導・助言(=就労定着支援)が求められているのです。

まとめ〜就労定着支援を受けることで職場定着がしやすくなります〜

就労定着支援を受けることで職場定着がしやすくなります

就労定着支援の概要から、支援内容、実施団体、事業所選びのポイントまでを解説しました。

病気や障害のある人の就労は、就労定着支援を利用することで、スムーズに職場に慣れて、無理なく長く働き続けることがしやすくなります。

ぜひ、専門の支援員に協力を求めながら、働きやすい環境を作っていってください。このコラムが、就労定着支援について知りたいあなたの助けになれば幸いです。

【最後に改めて…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?

「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。

キズキビジネスカレッジ(KBC)を利用した方は…

初任給
うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
就職までの期間
通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
就職率
通常52%のところ、
KBCでは82%
よくある質問

就労定着支援では、どのような支援を受けられますか?

一般論として、次のような支援を受けられます。①就職前の支援、②就職直後の支援、③就職後半年までの支援、④就職後半年以降の支援。詳細はこちらをご覧ください。

就労定着支援事業所を選ぶときのポイントはなんですか?

一般論として、次のような項目が挙げられます。①自治体や専門機関に支援内容を相談する、②あなたの病気や障害の対応状況はどうか、③雰囲気や支援員との相性が合っているかどうか、④あなたの働き方や職種の定着実績の状況はどうか。理由や詳しい情報も紹介してますので、詳細はこちらをご覧ください。

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