就労移行支援事業所の選び方のポイント7選|通所までのプロセスも解説

こんにちは、就労移行支援事業所・キズキビジネスカレッジ(KBC)の寺田淳平です。
就労移行支援事業所への通所を考えているあなたは、以下のようにお悩みではありませんか?
- 就労移行支援事業所はどうやって探せばよい?
- 就労移行支援事業所の選び方がわからない
- 就労移行支援を受けているけれど、自分に合っていない気がする
- 就労移行支援事業所に通うまでのプロセスを知りたい
就労移行支援のことは知っているものの、上記のような疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事は、就労移行支援事業所の選び方を徹底解説します。
通うまでのプロセスも併せて解説しますので、就労移行支援事業所の選び方で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
【本文に入る前に…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?
「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。
を利用した方は…
- 初任給
- うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
- 就職までの期間
- 通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
- 就職率
- 通常52%のところ、
KBCでは82%
監修キズキ代表 安田祐輔

発達障害(ASD/ADHD)当事者。特性に関連して、大学新卒時の職場環境に馴染めず、うつ病になり退職、引きこもり生活へ。
その後、不登校などの方のための学習塾「キズキ共育塾」を設立。また、「かつての自分と同じように苦しんでいる人たちの助けになりたい」という思いから、発達障害やうつ病などの方々のための「キズキビジネスカレッジ」を開校。一人ひとりの「適職発見」や「ビジネスキャリア構築」のサポートを行う。
【著書ピックアップ】
『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(2021年12月、翔泳社)』
Amazon
翔泳社公式
【略歴】
2011年 キズキ共育塾開塾(2022年7月現在9校)
2015年 株式会社キズキ設立
2019年 キズキビジネスカレッジ開校(2022年7月現在4校)
【その他著書など(一部)】
『学校に居場所がないと感じる人のための 未来が変わる勉強法(KADOKAWA)』『ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に勉強するための本(翔泳社)』『暗闇でも走る(講談社)』
日経新聞インタビュー『働けたのは4カ月 発達障害の僕がやり直せた理由』
現代ビジネス執筆記事一覧
【メディア出演(一部)】
2022年 NHK総合「日曜討論」(テーマ:「子ども・若者の声 社会や政治にどう届ける?」/野田聖子こども政策担当大臣などとともに)
執筆寺田淳平
てらだ・じゅんぺい。
高校2年の春から半年ほど不登校を経験。保健室登校をしながら卒業し、慶應義塾大学に入学。同大学卒業後の就職先(3,500人規模)で人事業務に従事する中、うつ病を発症し約10か月休職。寛解・職場復帰後、勤務を2年継続したのち現職のフリーライターに。
2019年に一般財団法人職業技能振興会の認定資格「企業中間管理職ケアストレスカウンセラー」を取得。
サイト運営キズキビジネスカレッジ(KBC)
うつ・発達障害などの方のための、就労移行支援事業所。就労継続をゴールに、あなたに本当に合っているスキルと仕事を一緒に探し、ビジネスキャリアを築く就労移行支援サービスを提供します。トップページはこちら→
目次
就労移行支援とは?
就労移行支援とは、一般企業への就職を検討している病気や障害のある人に対して、障害者総合支援法に基づいて行われる福祉サービスです。
国の基準を満たした「就労移行支援事業所」が支援の主体となっており、事業所によって異なる内容の支援を行っています。
基本的には、後述するように、生活習慣改善のサポートや、専門スキルの講習、就職活動の支援などが主な内容です。
中には、就職後の職場定着支援などを併せて行っている事業所もあります。
この章では、そうした就労移行支援を利用するための条件、申請に必要なもの、サービス内容、利用料、利用期間を確認していきましょう。
①利用対象者の基本的な条件

就労移行支援を受けるには、原則として、以下の3つの条件を満たす必要があります。
- 原則18歳から65歳未満であること
- 一般企業への就職または仕事での独立を希望していること
- 精神障害、発達障害、身体障害、知的障害や難病を抱えていること
対象となる障害や難病は順次見直しが行われ、2020年8月現在、その数は361疾病にのぼります。
対象となる疾病や障害の詳細は、厚生労働省のウェブサイト「障害者総合支援法の対象疾病(難病等)の見直しについて」をご確認ください。
なお、実際の利用の可否は、障害の程度などいくつかの事項を踏まえて、お住まいの各市区町村にて総合的に判断されます。
②申請に必要なもの

就労移行支援の申請に必要なものは、原則として、以下の2点です。
- 専門医による診断書
- 障害者福祉サービス受給者証
診断書の発行までには、数回以上の通院を要する場合がありますので、申請を考えている方は早めに専門医へご相談されることをオススメします。
そして、障害者福祉サービス受給者証は、市区町村役場の担当窓口で発行されます。
受給者証の詳細について知りたい方は、お住いの地域の市区町村役場に問い合わせるようにしましょう。
なお、障害者手帳は必須ではありません。
専門医の診断や定期的な通院のみでも、自治体が可能と判断すれば、就労移行支援を受けることはできます。
③主な支援内容

就労移行支援の主な支援内容は、以下の5つです。
- 生活習慣改善のサポート
- メンタル面のケア
- ビジネスマナーやスキルの講習
- 実際の就職活動の支援
- 職場定着支援
定期的な面談などを通じて、生活習慣やメンタル面のケアが行われます。
講習では働く上で必要なビジネスマナーやパソコン操作などを学ぶことができます。
事業所によっては、専門スキルの講習に注力をしているところもあり、業務で活かせる技能だけでなく、資格の取得までサポートを得られる場合も少なくありません。
実際の就職活動の支援では、履歴書の添削や模擬面接のみならず、就職先やインターン先の候補を提示してもらうことが可能です。
就職後には、利用者、就労移行支援事業所の支援員、お勤め先の三者による面談などを通じて、職場定着に向けた支援を行っている事業所もあります。
具体的なサービス内容は、事業所によって異なりますので、必要としている支援を受けられるかどうかを、前もって確認するようにしましょう。
④利用料(負担額)

就労移行支援の利用料は、「最低0円から」となっています。
仮に負担が生じたとしても「月額で最大37,200円」です。
また、利用料には上限が設定されています。
詳しくは以下の表をご覧ください。(参考:厚生労働省『障害者の利用者負担』)
区分 | 世帯の収入状況 | 負担上限月額 |
---|---|---|
生活保護 | 生活保護受給世帯 | 0円 |
低所得 | 市町村民税非課税世帯(注1) | 0円 |
一般1 | 市町村民税課税世帯 (所得割16万円(注2)未満) ※入所施設利用者(20歳以上)・ グループホーム利用者を除く(注3) |
9,300円 |
一般2 | 上記以外 | 37,200円 |
(注1)3人世帯で障害者基礎年金1級需給の場合、収入が概ね300万円以下の世帯が対象となります。
(注2)収入が概ね600万以下の世帯が対象になります。
(注3)入所施設利用者(20歳以上)、グループホーム利用者は、市町村民税課税世帯の場合、「一般2」となります。
⑤利用可能期間

利用可能期間は、最長で24か月です。
就職先が決まり、利用を終えるまでの期間は人それぞれで異なります。
もし、体調が安定せずに、休みを挟みながら通ったとしても、比較的安心して通い続けられる期間と言えるでしょう。
まずは生活習慣や体調を整えて、自己管理を学ぶところから始めたいという方は、支援員と相談の上、長期的な計画を立てることも可能です。
就労移行支援事業所の探し方
それでは、就労移行支援事業所をどうやって探せばよいのでしょうか?
「あなたに合った就労移行支援事業所」を見つけるポイントを解説する前に、まずは探し方の選択肢を知っておくことが大切です。
この章では、探し方として、3つの方法を紹介します。
①就労移行支援事業所の情報を集めた検索サイト

1つ目は、「就労移行支援事業所の情報を集めた検索サイト」です。
インターネット上で「就労移行支援事業所 検索」などのキーワードで検索すると、全国各地の就労移行支援事業所の情報を集めた検索サイトが見つかります。
例えば、公益財団法人東京都福祉保健財団が運営する「福ナビ とうきょう福祉ナビゲーション」は、その検索サイトの一つです。
障害種別、所在地や沿線ごとなど、様々な項目で事業所を絞り込むこともできますので、あなたが通いやすい事業所を効率的に見つけるための手段の一つとして有効でしょう。
②お住まいの自治体への相談

2つ目は「お住いの自治体(市区町村役所)への相談」です。
就労移行支援に限らず、福祉サービスの窓口は、基本的には自治体の障害福祉担当課となっています。
お住まいの自治体に相談すれば、事業所を探すだけでなく、必要な手続きや、先述した「障害者福祉サービス受給者証」の発行など、幅広いサポートを得られるはずです。
検索サイトの情報だけではなく、詳しい人に相談しながら疑問を解決したいという人は、自治体に相談するのがよいでしょう。
③専門機関への相談

最後は「専門機関への相談」です。
就労移行支援と連携しながら、病気や障害に悩む方向けの福祉サービスを行っている専門機関も多数あります。
主な公的な機関の例としては、以下が挙げられます。
上記の機関では、就労移行支援に関する相談だけでなく、その機関自体が生活面のケアやサポート、職業訓練などを実施しています。
就労移行支援と並行して利用することも可能ですので、興味のある方は問い合わせてみてください。
就労移行支援事業所の選び方のポイント7点
ここからは具体的に、就労移行支援事業所の選び方を7点に分けて、紹介します。
大切なのは、就労移行支援事業所の支援員への相談や、見学、体験通所を重ねて、ご自身の目で事業所を判断し、「あなたに合った就労移行支援事業所」を見つけることです。
前もってご自身の目で確認すれば、事業所の雰囲気や支援の内容を把握しやすくなるため、通った後のミスマッチを減らすことができます。
ぜひ、以下の就労移行支援事業所の選び方を参考にしつつ、気になる事業所があれば、支援員に相談したり、訪問したりしてみてください。
ポイント①自治体や専門機関に支援内容を相談する

前の章でも挙げましたが、1つ目のポイントは「自治体や専門機関に支援内容を相談する」ことです。
就労移行支援の支援内容は多岐に渡るため、ご自身のみでそのすべてを把握して判断するのは、難しいかもしれません。
そのため、自治体や専門機関の詳しい人に相談することをオススメします。
自治体や専門機関に相談すれば、あなたの病気や障害の特性、希望の職種などを踏まえた上で、あなたに合った事業所を紹介されるでしょう。
就労移行支援に関する情報収集も兼ねて、自治体や専門機関に在籍する人の意見を取り入れることも、選び方のポイントになります。
ポイント②あなたが必要とするサポートを実施しているか

2点目は「あなたが必要とするサポートを実施しているかどうか」です。
就労移行支援事業所が行うサポートや訓練の内容は、事業所ごとに異なる場合があります。
そして、これまでにも述べてきた通り、注力しているサポートやプログラムにも違いがありますので、事業所の特長も様々です。
例えば、ASDのような発達障害に伴って、コミュニケーションスキルに不安を抱えている場合は、ソフトスキル講習や、マナー講座、面接時の応答など、サポートが充実している事業所を選ぶのがよいでしょう。
また、「仕事に役立つPCスキルを学びたい」「簿記の講座を受けて経理職に就きたい」など、就労に向けて学びたいことが明確になっているのであれば、そうしたプログラムに力を入れている事業所を選ぶことも大切です。
事業所へ問い合わせたり、支援員に相談したりする際には、「あなたが必要とするサポートを実施しているか」「どんなサポートに力を入れているのか」を尋ねて、必要としているサポートを得られるか確認をしてみましょう。
ポイント③あなたの病気や障害の対応状況はどうか

「あなたの病気や障害の対応状況はどうか」も選び方のポイントです。
原則として、就労移行支援事業所には、支援に関わる実務経験や資格を有する「サービス管理責任者」が在籍しています。
その上で、さらに社会福祉士や臨床心理士などの専門員が所属している事業所もあります。
そのため、精神障害をお持ちの場合であれば精神保健福祉士、身体障害の場合であれば介護福祉士など、専門職の在籍があるかどうかを確認するのも、大切なポイントの一つです。
こうした専門員が所属していると、あなたの抱える病気や障害の実情に即した支援を受けられる可能性が高くなるかもしれません。
ただし、関連する有資格者がいなければ「あなたに向いていない」ということではありません。
関連する有資格者がいなくても、基本的には各病気や障害に対応しているのが就労移行支援事業所だからです。
それゆえ「資格の有無」にこだわらず、「あなたの病気や障害への対応状況や実績はどうか」について尋ねることが肝要になります。
ポイント④雰囲気や支援員との相性が合っているか

4点目は、「雰囲気や支援員の性格があなたに合っているかどうか」です。
カウンセリングや通院と同様に、事業所の雰囲気や支援員との相性というものはあります。
就労移行支援事業所に無理なく通い続けるには、あなたの性格と事業所の雰囲気、または支援員の性格が合っているかという点は、必ず確認しておきましょう。
また、事業所の雰囲気を掴むためには、すでに事業所へ通っている人が、どんな様子で過ごしているかを確認してみるのもよいかもしれません。
このように相性を確認するためには、やはり見学や体験通所を重ねることが大切です。
ぜひそうした機会を活かして、あなたの性格とマッチした支援員が多くいそうな事業所を探してみてください。
ポイント⑤プログラムの内容が充実しているか

「プログラムの内容が充実しているか」も選び方のポイントです。
特に、すでに希望する職種が定まっていたり、スキルアップしたい分野があったりする方は、必ず確認をしておきましょう。
先述したように、事業所の中には、基礎的なレベルを超えて、仕事に応用できる専門スキルの講習を行っているところがあります。
具体的には、会計士や税理士といった、専門資格の取得を目指すプログラムを実施している事業所です。
また、利用者の中には、就職に限らず、独立やフリーランスでの就労も視野に入れている方もいますので、そうした方向けにWebマーケティングなどの専門講習を実施しているところもあります。
こうしたプログラム内容の充実度に目を向けて事業所を選ぶというのも、一つの観点として覚えておきましょう。
ポイント⑥通いやすい距離・場所か

「通いやすい距離・場所かどうか」についても、事業所を選ぶ上で欠かせないポイントです。
あなたの希望を満たす就労移行支援事業所が見つかったとしても、遠方にある場合などは、通うだけで疲れてしまって、支援プログラムに集中できない可能性があります。
就職に至るまでには、ある程度の通所期間を要することが多いので、長く、そして無理なく通い続けることを想定して選びましょう。
また、通いやすい距離・場所かどうかを確認するために、実際に事業所までの道のりを通ってみるなど、ご自身で試してみることもオススメです。
ポイント⑦就職実績や定着実績があるか

最後のポイントは「就職実績や定着実績があるかどうか」です。
例えば、プログラマーとして仕事をしたいという明確なビジョンがある場合、プログラマーの就職実績が豊富な事業所に通うことで、より目的に合ったサポートを受けられるようになります。
なぜなら、プログラマーとして必要なスキルが学べる講習や、紹介できる就職先の候補がたくさんあることが予想されるからです。
「この職業に就きたい」という考えがある方は、就労移行支援事業所への問い合わせの際に、希望する職種での就職実績があるかを、必ず確認しましょう。
また、単に就職実績があるだけでなく、「職場定着の実績」まで尋ねることが大切です。
職場定着の実績が豊富な事業所ほど、より実際的なカリキュラムを組んでいたり、発達障害の特性に合った就職先を勧めたり、など就職後のことを踏まえたサポートを行っていることが多いです。
ただし、実績のない事業所であっても、該当する講座があり、かつこれまでに解説してきたポイントを満たす事業所の場合などは、総合的に検討することも大切になります。
参考:KBCの利用者さんがKBCを選んだ理由
この記事の運営元であるキズキビジネスカレッジ(KBC)も、就労移行支援事業所の一つです。参考として、KBCの利用者さんがKBCを見つけた・KBCを選んだ理由をご紹介します。
就労移行支援事業所を選んでから通所するまでのプロセス
最後に、通いたい就労移行支援事業所が見つかった方へ向けて、通所までのプロセスを紹介します。
おおよそ5つの段階に分けましたので、順に確認していきましょう。
①無料相談・見学・体験利用

まずは、利用を考えている事業所に問い合わせることから始めましょう。
ほとんどの事業所では、「無料相談・無料見学・無料体験利用」を行っています。
相談の段階では、就労移行支援に関する詳しい知識がなくても大丈夫です。
これまでに解説してきた「選び方のポイント」をもとに相談し、あなたに合いそうな事業所であることを確認できたら、見学に行きましょう。
Webサイトやパンフレットだけではわからない「事業所の雰囲気」というものがありますので、可能であれば、体験利用まで行うことをオススメします。
②受給者証の申請と利用契約

実際に通いたい事業所が決まったら、お近くの市区町村役所へ行き、「障害者福祉サービス受給者証」を発行します。
必要書類や項目は市区町村役場によって異なりますが、基本的には「専門医による診断書」が必要となりますので、前もって準備しておきましょう。
診断書もサービス受給者証の取得の仕方に不安があるという方は、就労移行支援事業所に相談すると、あなたの事情に合わせて、詳しく教えてくれます。
障害者福祉サービス受給者証が発行されたら、診断書と一緒に事業所へ持って行き、利用手続きを進めてください。
③個別支援計画にあわせた職業訓練

就労移行支援事業所へ通所すると、まずは就職に向けた職業訓練を基本的に進めていきます。
これは「個別支援計画」と呼ばれる、あなたの障害や病状、性格やスキル、希望する業界や働き方、就労準備の段階などに基づいて作成された計画に沿って行われます。
あなたのペースにあわせて、希望したプログラムを受けていくことが可能です。
具体的には、自己管理やコミュニケーションの効果的な方法の他に、ビジネスマナーやPC講座といった基本的なスキル、経理やプログラミングなどの専門スキルの習得を目指します。
事業所ごとの訓練メニューを確認しつつ、支援員と相談して決めていきましょう。
④適性にあう職場探しの開始

通所してある程度の期間が経つと、あなたの適性にあった職場探しに入ります。
まずは、就職活動の前に、インターン(職場体験)が行われることが多いです。
インターンを通じて、「この仕事が自分に向いているかもしれない」「こんな職場環境なら長く続けられる」など、様々な気づきを得た上で、希望する職種や企業を決めていきます。
その後、履歴書や志望動機の書き方、面接対策など、幅広いサポートを受けながら、就職活動を行っていきます。
ただ、就職活動を始める時期になると、「一般枠」と「障害者枠」のどちらにするか、「障害者手帳を前もって取得するか」など、慎重に検討すべきことが増えてくるかもしれません。
ですが、就労移行支援事業所では、そうした相談に対応できる支援員が揃っています。
検討する際に疑問や不安を感じたら、一人で悩みを抱え込まず、その都度支援員へ相談するようにしましょう。
⑤職場定着の支援

就労移行支援事業所では、就職先が決まってから6か月までは「職場定着支援」を行っています。
具体的には、定期面談などを通じて、利用者のメンタルケアや、就職後に生じた課題に対する助言などを行います。
こうした職場定着支援は、統計的にも、大きな成果を上げていることがわかっています。
精神障害を持つ人を例に取ると、定着支援を受けた人たちの1年後の職場定着率が「66.4%」に対し、受けなかった人たちの職場定着率は「42.8%」と、「20%以上」もの差が出ています。(参考:障害者職業総合センター『障害者の就職状況等に関する調査研究』)
このように、就職後に手厚いサポートを受けられるという点も、就労移行支援事業所を利用する上で大切なことです。
まとめ:選び方を知って、あなたに合った就労移行支援事業所を探しましょう

就労移行支援事業所の概要から、事業所の探し方、選び方のポイント、通所までのプロセスをまとめて解説してきましたが、イメージは湧いたでしょうか?
繰り返しにはなりますが、就労移行支援事業所を選ぶ上では、様々なポイントを確認した上で、「あなたに合った事業所」を選ぶことが大切です。
必要に合わせて、自治体や専門機関などにも問い合わせをしながら、気になる事業所を絞り込んでいきましょう。
その過程では、実際に事業所に問い合わせるだけでなく、相談や見学、体験通所をして、事業所の雰囲気なども忘れずに確認してください。
マッチした事業所が見つかれば、無理なく通えるだけでなく、就職に向けた準備もスムーズに進むはずです。
このコラムで解説してきた事業所の選び方を参考に、あなたに合った就労移行支援事業所を見つけてください。
【最後に改めて…】
就労移行支援
という仕組みを知っていますか?
「就労移行支援」とは、「病気や障害のある人の一般企業での就職や仕事での独立と、その後の定着」をサポートする仕組みのことです。キズキビジネスカレッジは、就労移行支援の中でも、「これまでの職歴とは異なる、新たな業界・分野への就職」と「これまでの職歴を活かした就職」の両方に強いのが特色です。就労移行支援は公的な認可に基づいて行われており、病気や障害があることが診断書から明らかな場合などは、国の補償で最低0円から就労支援を受けられることもあります。
を利用した方は…
- 初任給
- うつや発達障害があっても、
KBCでは平均21万円
- 就職までの期間
- 通常約1年半かかるところ、
KBCでは平均4か月
- 就職率
- 通常52%のところ、
KBCでは82%
就労移行支援事業所の探し方を知りたいです。
一般論として、次の3点が考えられます。「就労移行支援事業所の情報を集めた検索サイト」「お住まいの自治体への相談」「専門機関への相談」。詳細はこちらをご覧ください。
就労移行支援事業所の選び方のポイントを知りたいです。
一般論として、次の7点が挙げられます。「自治体や専門機関に支援内容を相談する」「あなたが必要とするサポートを実施しているか」「あなたの病気や障害の対応状況はどうか」「雰囲気や支援員との相性が合っているか」「プログラムの内容が充実しているか」「通いやすい距離・場所か」「就職実績や定着実績があるか」。詳細はこちらをご覧ください。